哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

坂口安吾“堕落論”

NHK「100分de名著」は、伊集院光(司会)のファンでよく視聴してる。 だいぶ前になるが 坂口安吾“堕落論” 第1回「生きよ堕(お)ちよ をやっていた。 EPG番組内容引用 戦前戦中の価値観の一切を否定し、そこから解放されるべきことを説く「堕落論」。坂口安…

聴聞を極めると

ただ、仏法は、聴聞にきわまることなり(蓮如上人御一代記聞書193より) 道元禅師は聞思修証もんししゅしょうを起すを智慧と為なす(正法眼蔵 八大人覚より)と教えている。仏道のスタンダードはこっちだが、蓮如上人は、あえて聞もんだけでよいと教えている…

悟りって結局自分免許でOK?

依普賢経。請三師証等。請釈迦牟尼仏。為菩薩戒和上。請文殊師利菩薩。為菩薩戒羯磨阿闍梨。請弥勒菩薩。為菩薩戒教授阿闍梨。請十方一切諸仏。為菩薩戒証師。請十方一切諸菩薩。為同学等侶。請現前一伝戒師。以為現前師。若無伝戒師。千里内請。若千里内無…

洋画『インビクタス/負けざる者たち』

ネルソン・マンデラは27年ものあいだ狭い牢獄に閉じ込められた後、大統領になった。 獄中の彼を支えたのは、英国詩人ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩「インビクタス」の一節 I am the master of my fate, (私が我が運命の支配者) I am the captain o…

日本人の感性?おれだけの感性?

銭湯(風呂)日本人…固く絞ったタオル(てぬぐい)で身体を拭く。西洋人…乾いたバスタオルで拭く。「絞った濡れタオルでは、拭いても気持ち悪い」と言う。日本人は、外国人にそう言われて初めて「そうともいえる。それはそれでもっともだ」と気づく。しかし…

デカルトとブッダの関係

デカルトは、熱心に勉学・思索することによって、(偉大な思想家がすべてそうであるように)まず自分がまったく無知であることを学んだ。世間の人々は何かを知っているのだが、自分は何ひとつ知らないと謙虚になるのではない。世間の人々も自分も共に何も知…

何をもって自己確立と定義できるか

自己の確立が大事だといわれる。では、なにをもって、自己を確立したといえるのか。人間は、自分で望んでする内発的行為と、強しいられてする(させられる)外発的行為を、はっきり区別できるようになって、初めて自己を確立したといえる、とおれは思う。こ…

マインドフルネス

以前、NHKスペシャル キラーストレス 第2回「ストレスから脳を守れ」を見たときの感想。「最新科学によってその効果が裏付けられた誰にでもできる画期的なストレス対策を、世界の最前線から報告する」といって、何千年も前にブッダが実践し悟った「今ここ」…

みずから考えてないことに気づかない人々

「人生の目的」(五木寛之/幻冬舎)を読んで、自分勝手な感想を書く。世界の中で一番面倒くさいことは何か。みずから考えること。世の中で一番嫌なことは何か。自分が死ぬこと。ところが、 一番嫌なことを少しでもましなものに変えたい一心から、 一番面倒…

亡者は生きているものの道具である

パラノーマル・アクティビティシリーズをDVDで観る。 パラノーマル・アクティビティ:予告編 この映画はエンターテイメントとして上手に作られてる。しかし2007年の最初の作品自体にも監督の話にも、10年くらい後のVRゲームにも お化けは人間の道具 という事…

世間は、人生が無常であり苦であるという事実の反対を向いてる

(ブッダの真理のことば ダンマパダ328 中村 元訳)より引用もしも思慮深く聡明でまじめな生活をしている人を伴侶として共に歩むことができるならば、あらゆる危険困難に打ち克って、こころ喜び、念いをおちつけて、ともに歩め。(同329)しかし、もしも思慮深…

ブッダはオーバーな表現をしない

(ブッダの真理のことば ダンマパダ103~105中村 元訳)より引用。戦場において百万人に勝つよりも、唯だ一つの自己に克つ者こそ、じつに最上の勝利者である。自己にうち克つことは、他の人々に勝つことよりもすぐれている。つねに行ないをつつしみ、自己を…

どんな理由があろうと絶対に怒ってはいけない

(ブッダが弟子に教えを説かれた。) 「汝等なんだちよ、盗賊が汝を捕らえ、両歯の鋸のこぎりで四肢てあしを切断するとも、いかり、うらみ、にくんではならぬ。慈心じしんを以もって、相手を見よ。広大無辺の慈悲を以て、全世界を覆おおえ、」(現代語仏教聖…

賢明な悪人は存在しない。

(ブッダの真理のことば ダンマパダ67,68 中村 元訳)から引用もし或る行為をしたのちに、それを後悔して、顔に涙を流して泣きながら、その報いを受けるならば、その行為をしたことは善くない。もしも或る行為をしたのちに、それを後悔しないで、嬉しく喜ん…

一つの直観が様々な物語を紡ぎだす

直感で、いきなり結論(答え)をつかみとれることがある。 (直観ゆえに本人は真理だと信じるが、高次元のステレオタイプの場合もある。 ※ 不滅の魂に代表される宗教的直観の多くは、この高次元のステレオタイプで、世界中のあらゆる時代で類型が見られ大衆…

科学はトータルマイナスでも、やり続けたほうがいい

集団登校児童の列に暴走車が突っ込んだり、居眠り運転のトラックがトンネル内で渋滞の車列に激突炎上したり、毎日どこかで無残な交通事故が起きてる。そもそも自動車が発明されなければこんな悲劇は起きてないが、自動車があると便利なことも非常に多い。自…

意識のコピぺができれば何が起きる?無我の光or我の恐怖?

「セルフレス/覚醒した記憶」予告編 過去記事に、繰り返し 人間が遺伝子レベルで完璧に解析され、脳の構造と機能もすべて解明されて、意識のコピーが簡単に作れる日が早く来ればいいとおもってます。そうなれば、それでも残る根源的問題が鮮明に浮き上がり…

洋画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

出てくる料理がどれも、めちゃくちゃ美味しそうに撮れてる。音楽のチョイスもかっこいい。主人公は一流レストラン総料理長から屋台のおやじに転落するが、ぐじぐじ悩む重苦しい場面は一切なしで、一路ハッピーエンドに向かって疾走する。陽気に生きるためな…

獣臭の強い男は、女に人間として軽蔑される

映画『そして父になる』予告編 おれは過去記事「ある会話」に、こう書いた。今日のA氏との会話(メモ)(A氏)「女は自分で産むから自分の子だとわかるが、男はわが子かどうか自分でわからない。女のほうが優位だ」その後、産院での赤ちゃん取り違えとか、…

将来幸福薬が売り出され、みんな喜んで飛びつく

このYouTube動画。脳科学者が自分の脳卒中の体験を合理化した経緯に達弁を振るっていて観応えがあった。 脳の機能不全時の世界観、脳卒中、脳梗塞 1/2 脳の機能不全時の世界観、脳卒中、脳梗塞 2/2 右脳と左脳は別物。自我意識は左脳の作用。大我の至福感は…

「すでに救われてる。このままで初めから悟っている」が大衆の妄想になる現代

直前記事で、人間の修行嫌いが高じると決まって現れる 奥義めかしたステレオタイプ妄想 そのままですでに救われている。 もともと初めから悟っている。 について書きました。 例として大乗仏教の「本来本法性天然自性身」ヒンズー教の「梵我一如」キリスト教…

苦諦の理解だけが強い決意を可能にする

「アーナパーナ・サティと七覚支 パオ・セヤドー.pdf」より引用します 瞑想をやっていくと一番大事なことは、メソッド(方法)をゴチャゴチャにしないということです。今やっているのはアナパナなので、それは何なのかということを明確に知っておくべきです…

ヴィパッサナーは、思考のチェンジ ではなく「思考の仕方」のチェンジ

哲学は自然の探求→人生の理想の探求→個人の安心の探求と進んだ。これは人類の決まった思考パターンだとおもう。科学はこのパターンをもう一度綿密にやり直して、いま最初の段階「自然の探求」の中頃を過ぎたあたりまで進んでいる。当然この後、人生の理想の…

脳はなぜ信頼できないのか

スマナサーラ長老。 「瞑想前の法話」 法話聞き取りメモ 脳細胞の仕事は他の細胞をとにかく生かすこと、それだけ。脳は、自分は常に正しいと思って指令している。脳には死を認識する力がない。自分の死を想像することも妄想することも不可能。脳には真理か嘘…

Everyone must die

Everyone must die/PIKOTARO(ピコ太郎) この動画コメ欄見ると、最初から活発に反応したのは外国人。 自国にしては日本人異常に少ない。内容も低調。 死ぬ話はタブー、まずシカトして、周りの空気を読むのが日本人。 日が経っても日本人の反応は鈍く、 主流…

貪瞋痴の毒を久しく食べてきた人達がもっと食べろと言いあっている

題に引かれて手に取った本。副題に「防災オンチの日本人」とあるように、人間の防災心理に関して警鐘を鳴らした言葉だった。 しかし… 人は皆、普段から普通に「人は死んでも、自分だけは死なない」と信じている。なにも防災に関してだけ、そうおもっているわ…

洋画『天使のくれた時間』

天使のくれた時間(プレビュー) 天使のくれた時間(ケイトの言葉) 天使のくれた時間 - 作品 - Yahoo!映画より引用 優雅な独身生活を謳歌していたビジネスマンが昔の恋人との“もうひとつの人生”を体験することで本当の幸せに目覚める姿を描いた大人のファンタ…

人間として生まれた普遍的意味はヴィパッサナーだけにある

おれには、おれが生まれる前に死んだ兄がいた。兄は赤ちゃんのまま死んだ。兄は何のために生まれてきたんだろう と、折に触れて考えた。 昔おれに洗礼を勧めるキリスト教系の宣教師とよく議論していた。ある時、おれは自分の考えを、神を信じる相手に合わせ…

インド映画『バーフバリ伝説誕生』

ありえねーレベルの自由奔放なインド映画。 それが、すこし観慣れると、 インドのきたな美味屋台料理(誉めてます) みたいにクセになって次々観たくなる。 完結編『バーフバリ 王の凱旋』に続く。 『バーフバリ伝説誕生』ダイジェスト映像 『バーフバリ 王の…

mass-manに非ずんば人にあらず時代

人間界においても弱肉強食は紛うかたなき事実だ。人間は残忍や姦詐を美徳とする屁理屈まで付け足す。 人間が抱えている最大の隠れたナンセンスは、自分は死んでも生きているんだという幻想をほとんどの人が抱いていて、殺す者と殺される者が、この幻想を共有…