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脳科学者が自分の脳卒中の体験を合理化した経緯に達弁を振るっていて観応えがあった。
右脳と左脳は別物。自我意識は左脳の作用。大我の至福感は右脳優位で得られる等。
しかし……単純な還元主義に支配された物語だとおもう。
やがて精神作用はすべて脳の化学反応に還元できる日が来る、と誰もが事実上認めているとおもう。
それなら、薬で脳に至福感を感じさせて何が悪いってことになる。
日常、自ら考える代わりに、周りの空気を読んで適応で済ませているから、そういう情けないざまにならざるを得ない。
悟りさえ薬で得られるとおもうほど馬鹿になっているとおもう。
それなら、薬で脳に至福感を感じさせて何が悪いってことになる。
そう遠くない将来、副作用のない幸福薬が売り出されるとおもう。
みんなたいして遅疑せず飛びつくことになるだろう。
そういうことに今すでに、罪悪感を失っているからだ。
日常、自ら考える代わりに、周りの空気を読んで適応で済ませているから、そういう情けないざまにならざるを得ない。
悟りさえ薬で得られるとおもうほど馬鹿になっているとおもう。
だからおれは、人間が遺伝子レベルで完璧に解析され、脳の構造と機能もすべて解明されて、意識のコピーが簡単に作れる日が早く来ればいいとおもっている。
そうなれば、それでも残る根源的問題が鮮明に浮き上がり、みんなが気づき易くなるからだ。
現状ほぼ誰も関心を持ってない仏出世の一大事因縁を、多くの人が知りたいとおもうようになる。
そうなって初めて、人類はイジメと戦争のない世界の実現に向かって実効あるアクションを起こせるようになる。
(過去記事増補編集再録)