哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『赤い玉、』苦が苦聖諦に昇華できないとどうなるか

(Wikipediaより引用)あらすじ 大学教員に就きつつも映画監督である時田修次は、新作の撮影に臨んで行き詰っていた。時田は、愛人・唯の美貌に癒されながら脚本を練り、あくまでも経験に基づく作品を撮ろうと考えるが、そういった自分の生き方が、まるで映…

あなたのベストフレンドはブッダです

天地達観の位には、聖人と称し仏陀と号するも、もとより人なれば、畢竟、我が講求討論の友にして、師とするものは天地なり。 (三浦梅園) そりゃ、そうだ。釈尊だって「私を信じよ」とは言っていない。 「師とするものは天地なり」の気概と見識は、そのまま…

耕治人の私小説「そうかもしれない」

耕治人の小品「そうかもしれない」を読む。 この作者のことはまったく聞いたことがなかった。 いい私小説だ。 痴呆になった妻が、心配する夫のことを忘れてしまい、 介助者に「あなたのご主人ですよ」といわれて 「そうかもしれない」 と呟く。 寒々とした脱…

「わかった!」体験をあと一人増やすためだけに

マハトマ・ガンジーの言葉。 みんなが認めていても間違いが真実になることはないし、誰も認めていなくても真実が間違いになることはない。 An error does not become truth by reason of multiplied propagation, nor does truth become error because nobod…

意味ないことを面白がって死ぬまで過ごす悪癖

2020-02-19の記事 人生の目的は 1欲の奴隷(現世快楽主義)の章 でこう書いた。 釈尊入滅後、やがて宗教改革が起こり、在家信者中心の大乗仏教ができた。 教科書的な解説本は、例外なく「菩薩」等を賞揚し、すばらしい改革であり発展であると断定している。…

存在の不安

不安であることは、自分が道を外れていないことの最も確かな証だ。 そう気づくこと。 不安を否定する必要はない、それどころか否定してはいけないのだと気づく。 不安は少しも変わらず今もあるが、それが以前のように苦痛ではなくなる。 不安であることが嫌…

わたしは今ここで苦しいという気づき。

ブッダのエピソードにあった女の子は 「明日のこと考える余裕ないんです。 今日苦しんでるんです。 だからそうやって、物凄く苦しみに目覚めている場合は(ブッダの智慧に触れると)一発で、さとりに達します」 (上の動画スマナサーラ長老の説法から引用。…

欲以外の幸福 ブッダの教え

真実道を知らないで、百年生きるよりも、それを知って、一日生きるほうがよい。 (現代語仏教聖典 法句抄2) 道を得んと学ぶのは、戦場に臨むが如く、敗れる者もあれば、逃げ帰る者もある。討死する者もあれば、勝つ者もある。心を堅固にし、強く進んで、愚…

主張2

世間の常識はあげ底になっている。 それも甚だしいあげ底だ。 「人は必ず死ぬ」と聞くと「そんなことは常識だ。誰でも知っている」と答えるのがそれだ。 生者必滅の理が本当に常識なら、こんなにも浅ましい世界であるはずがないのだ。 存在の意味に関して、…

主張1

人の心はほかの何物にも勝って実がない。誰がそれを知りえようか と聖書に書いてある。(エレミア書17-9) たいていの人間は、その何物にも勝って実がないものに頼って生きている。 仏陀が 良く整えられた自己こそが唯一頼れるものだ と教えた自己とは、…

人生の目的は

人生の目的は「存在の意味」を明らめることにあります。 しかし、大多数の人々が存在の何が問題なのかさえ自覚的には知らない。 実は知っているが、自覚的には知らないという厄介な状態です。 そこで実は知っていることに気づくために、人間は様々迷いながら…

泣きたくなるが、どうしようもない

おれは無邪気な少年だった。 老いや死は言葉としてのみかろうじて知っているだけで、その実際の恐ろしい意味は知らなかった。 そしてもちろん、知らないという事実にも気づいてはいなかった。 中学生のある日、芥川の晩年の作品を読んで、自分の考え方感じ方…

遺伝子は、神か 悪魔か

遺伝子は、人を滅ぼすものでもあると同時に、人を生かしているものである。 その偉大な能動的側面を見て「遺伝子は神だ」という者もいる。 そうなると、おれはバランスをとりたくなり「遺伝子は悪魔だ」という。 遺伝子のプログラムに支配され、殺し殺される…

トラブルだらけの人生で正念相続が可能なわけ

猿のようにあちこちに飛び回る心を、サティとヴィパッサナーで自分に縛り付けておくのは、人生の最重要事項 正念相続 を守るためだ。 しかし日々トラブルが絶えない四苦八苦の人生で、常に落ち着いた心を保つ正念相続など不可能ではないか? もし人生が、泣…

修行衰退の原因

河を流れる丸太に修行者を例えた、ブッダの有名な説法がある。 ターン・プッタタート パーリ三蔵より パーリ・ブッダバーシタ 相応部サラーヤタナヴァッガ 三蔵18巻23頁322項 「海まで下る丸太」 (文中、スガタは「善く行った者。善逝」の意味でブッダのこと…

大人になりたい!死ぬ前に!

週一のウォーキング会終了後、メンバーの一人とコーヒー飲みながらしばし空談するのが最近の恒例になっている。 Aが新聞の投書欄か何かの記事を見ながら 「酒はほろ酔いで止めるのが良い。それ以上どん欲に追い求めても増える楽しみはあとわずかて書いてあ…

自由…か?

人間は、生れさせられ、殺される。 人生は最初と最後が、100%不自由だ。 では自殺者は?自分で自由に死ぬのでは? 自殺は不自由だ。 生きたいのに、生きることができなくなった者だけが、やむを得ず自殺する。 けっして、望んで死ぬのではない。 自殺者…

意識の感受性能を上げる

無意識の意識化、それをさらに無意識化する …これがワンサイクル。 これを何度も繰り返すのが、 人類の運命なのかも知れないと、ふとおもう。 無意識の意識化は、困難で偉大な事業だ。 しかしそれだけでは、結局どうしようもない。 救いのためにはその後、 …

いじめと戦争は同じ根っこから発生している。どうして誰も気づかないのか?

スティーヴン・キングの1974年の同名の小説を原作としており、その3度目の映画(Wikipedia) いじめは金輪際止めろというメッセージだ とおれはおもう。 いじめと戦争は同じ根っこから発生している。 この事実に無理解な人があまりにも多すぎる。 戦争には反…

適応で満足するな。応答しろ。

(吉本隆明「良寛」から引用) 親鸞の解釈の仕方によりますと人間は具体的に生きているとか死んでいるとかいうところ、つまりその人がその人であるというところでは人間は本質的な存在ではない、というのです。これを現在のいい方でいえば、人間はいつも現に…

あなたはパウロに現れたのに、どうして、私に現れないのか

田中小実昌『アメン父』より引用。 「あなたはパウロに現れたりしたのに、どうして、私に現れないのか」 と父がけんかするみたいに言っている(祈っている)のを、母はなんどか聞いたそうだ。 (強調処理は私です。原文にはありません。引用終) 気持ちは痛…

絶望はあたりまえ

人間は、まともに生きている限り、いっさいの希望を持てなくなるときが来るのはあたりまえだ。 絶望は必ず来る、自分を麻痺させない限り。 絶望したからニヒリズムに陥るというのは甘えである。 (おまけ) 「ザ・モンキーズ・ショー」もよく見てた。 「モン…

八正道

八正道のポイントは『正』の意味にある。 正しいとは、なにかってことだ。 正=自己に執着しない。 だと、おれはおもう。 すると、八正道はこうなる。 正見 ものごとを、自己に執着しないで見ること。 正思 ものごとを、自己に執着しないで考えること。 正語…

ショーペンハウアー 編修4

「意志の自由のままに応じて、ここの客観はそもそも存在しないということもあり得てくるだろうし、また根源的に、本質的に、それがぜんぜん別の客観になるということだってあり得ることかもしれない。さらにまた、その客観が一つの環としてつながれている連…

ショーペンハウアー 編修3

『(盲目の)意志』は無明だ! ショーペンハウアーを読んで、 初めて釈尊の説く無明が分かった気がした。 無明が単なる無知であるはずがない。 それでは、現にある人間と世界が、現にあるようには理解できないからだ。 自分にとっては、興奮する発見だった。…

ショーペンハウアー 編修2

誰でも自分自身にとっていちばんよいもの、いちばん大事なものは自分自身であり、いちばんよいこと、いちばん大事なことをしてくれるのも自分自身である。 (ショーペンハウアー「幸福について」橋本 文夫訳) 先入観に染まった多くの人は、一読して 「あん…

ショーペンハウアー 編修1

国家というものは、理性を具備したエゴイズムがエゴイズムそのものに降りかかってくるそれ自身の悪い諸結果を回避しようとするための手段である。 (「意志と表象としての世界・正編」第六十二節。西尾幹二訳・中央公論社。以下 62 と表記する) 刑法の法典…

人生には「今」しかない。ところで「今」って?

エックハルト・トールは 集まって椅子に座っている聴衆 一人一人に 言葉で示す。 あなたの人生の真の目的は 「ここに座っていること」 です。と 人生の目的は、未来じゃない。まして過去でもない。 みんな「今」くらい知ってるつもりだが、じつは「今」につ…

満島ひかり主演『海辺の生と死』

ついていけないでしょうか たとえこの身がこわれても 取り乱したりいたしません 過去ブログで、二階堂ふみ主演『この国の空』を観て書いたのと同じことをおもった。 これは反戦映画にはなっていない。しかし面白かった。と。 その理由も同じだ。 たとえば今…