哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

読書感想

絵本「百万回生きたねこ」

世代を越えて読み継がれている絵本「百万回生きたねこ」の作者佐野洋子さんは 「どんな人も一回しか生きない。ならば人を愛して死んでいけば、それだけでよい、という非常に簡単なことを言いたかった」と語る。 (NHK映像ファイル あの人に会いたい「佐野洋…

織田作之助「夫婦善哉」

織田作之助「夫婦善哉」を青空文庫で読み直した。 今回で数年、10数年の間をおいて3,4度読んでるとおもう。読書嫌いのおれとしては珍しい。しばらく経つとまた読んでみたくなる不思議な魅力がある小説だ。 MP3プレーヤーに入れて、ウォーキング中、繰り返…

イソップ寓話集

「イソップ寓話集」(昔の愛読書です)からひとつ 55 牡牛たちと肉屋。 むかしのこと、牡牛たちは、肉屋が、この世からいなくなればよいと考えた。と言うのも、肉屋は、牛たちを殺戮することを、なりわいとしているからだ。 牡牛たちは、日時を示し合わせて…

尾崎方哉

尾崎方哉(ほうさい)(自由律俳人)は、気になる人だ。 元々ねあかの人間が存在論的悩みと格闘して疲労困憊し、社会との絶え間ない違和感に悩まされ、それでも自分に忠実に生きようとしてしだいにひとりぼっちになっていく。 最後に孤独、無言、ひきこもりの…

耕治人の私小説「そうかもしれない」

耕治人の小品「そうかもしれない」を読む。 この作者のことはまったく聞いたことがなかった。 いい私小説だ。 痴呆になった妻が、心配する夫のことを忘れてしまい、 介助者に「あなたのご主人ですよ」といわれて 「そうかもしれない」 と呟く。 寒々とした脱…

昔の小説「五重塔」

じつは、「五重塔ごじゅうのとう」(作:幸田露伴)という古い小説が大好きです。 露伴は骨太で饒舌という、現代小説家にはない面白さがある。露伴の娘の文、その娘の玉、そのまた娘の奈緒と文学者が続き、「だんだん小粒になっていく」と批評されると、奈緒…

水上勉原作「飢餓海峡」

水上勉原作「飢餓海峡」 内田吐夢監督の東映映画を先に観た。それがあまりにも良かったので、その感動の余勢で小説にも手を出したって感じだ。おれは敗戦直後の荒廃混乱貧困を、(ほとんど類推に過ぎないにしても)辛うじて実感できる最後の世代なので、小説…

田中小実昌『アメン父』

「あなたはパウロに現れたりしたのに、どうして、私に現れないのか」 と父がけんかするみたいに言っている(祈っている)のを、母はなんどか聞いたそうだ。 (田中小実昌『アメン父』) 気持ちは痛いほど分かる。 本気で信仰に志したら、誰でもこの不満を抱…

鬼才泉鏡花「高野聖」

「高野聖」が青空文庫にあったので、数十年ぶりに読み返した。 昔読んだ時に感服したが、今読みなおして泉鏡花の鬼才ぶりを再確認した。 Kyoka Izumi "Kouyahijiri" Shintate Sho CUTNOVEL English …うまれつきの色好み、殊にまた若いのが好(すき)じゃで、何…

銃夢(ガンム)

数年前、台湾で殺人を犯した男が「昔読んだ日本の漫画を思い出し、人を殺せば運が好転すると思った」と供述。その漫画が「銃夢」(ガンム)だという。 「銃夢」はおれの大好きな漫画のひとつ。「人を殺せば運が好転する」なんて趣旨の話じゃない。冗談じゃな…

織田作之助「夫婦善哉」

織田作之助「夫婦善哉」を青空文庫で読み直した。 今回で数年、10数年の間をおいて三度読んだことになる。読書嫌いのおれとしては珍しい。 しばらく経つとまた読んでみたくなる不思議な魅力がある小説だ。 この「夫婦善哉」という小説からは、儒教、仏教、キ…

虚雲和尚伝

「近代中国禅仏教の最高峰 虚雲和尚伝(百二十歳の生涯)」を読む。 この数年、左目の調子が悪く細かい字が読み辛い。目が痛いが面白くて途中で読むのを止められない。目薬を気休めに点して……読了。 和尚は参禅はやさしいとも説くが、本人は若いときからもの…

ラリー・ローゼンバーグ「呼吸による癒し」

ラリー・ローゼンバーグ「呼吸による癒し」 読了。ためになった。 瞑想は上手くいってもいかなくても毎日やる。上手くいく経験と上手くいかない経験が等しく大切だという指摘。 「私」「私のもの」に対する執着は至高の依存症である。 気づきはハイパーアテ…

「2chで話題の話」の続き

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」 読後感は「ALWAYS 三丁目の夕日」を見た後のような感じだ。 つまり、うける理由はわかるが、おれ的にはあまりよくない。 【軍曹が】携帯電話開発の現状【語る】 http://s03.2log.net/home/progr…

2chで話題の話

『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』←2chで話題とかで、見に行った。 多勢がアクセス中らしく、動きが非常に重い。コピーもできない。 スクロールに苦労しながら第一部だけ読み終わる。 後で気づいたが、ブラウザをふだん使わな…

五重塔

じつは、「五重塔(ごじゅうのとう)」(作:幸田露伴)という古い小説が大好きです。 日本の小説で、おれが繰り返し読んで飽きないのは、「五重塔」だけです。 主人公「のつそり十兵衞」の世に稀な信念の生きざまを、よくここまで見事に表現しえたものと、何…

五木寛之

「人生の目的」(五木寛之/幻冬舎)を読んで、自分勝手な感想を書く。 世界の中で一番面倒くさいことは何か。 みずから考えること。 世の中で一番嫌なことは何か。 自分が死ぬこと。 ところが、一番嫌なことを少しでもましなものに変えたい一心から、一番面…

辻潤の文章

◎アナキズム図書室→http://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/library.html (低人さんのブログ「あほりずむ」大杉栄のことhttp://blogs.yahoo.co.jp/tei_zin/23706444.htmlから) の辻潤の文章を読みました。 自分はこの世に生まれて来たことを別段ありがた…

尾崎方哉

尾崎方哉(ほうさい)(自由律俳人)は、気になる人だ。 元々ねあかの人間が存在論的悩みと格闘して疲労困憊し、社会との絶え間ない違和感に悩まされ、それでも自分に忠実に生きようとしてしだいにひとりぼっちになっていく。 最後に孤独、無言、ひきこもりの…

耕治人

耕治人「一条の光、天井から降る哀しい音」を読む。 この作者のことはまったく聞いたことがなかった。 いい私小説だ。 小品「そうかもしれない」が特に。 痴呆になった妻が、心配する夫のことを忘れてしまい、 介助者に「あなたのご主人ですよ」といわれて …

山本七平

移動中のバスの中で山本七平の本を読み 「人間は何かになるのではない、何かをするだけだ」 という意味の教えに感銘を受け、釈尊の教えと同じだとおもった。 しかし、おれはそれを他人事にしか聞けていない。 何かしなければいけないと気づき、始めてはみた…

吉本隆明「良寛」

「親鸞の解釈の仕方によりますと人間は具体的に生きているとか死んでいるとかいうところ、つまりその人がその人であるというところでは人間は本質的な存在ではない、というのです。これを現在のいい方でいえば、人間はいつも現に存在するところのものではな…