哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

2018-01-01から1年間の記事一覧

世の中を暗くする獣的人間

昔、職場で「何を言ったかじゃなく、誰が言ったかで判断する人間は最低だ!」と怒ったことがある。 言う前から周りの反応は鈍重だろうと予想はついたが、それでも言ってしまうときもあった。 武田邦彦先生のエッセイ「何を言った」より「誰が言った」という…

名作「あやしい彼女」の中国版リメイク

韓国の名作映画「あやしい彼女」の中国版リメイクは『20歳よ、もう一度(重返20岁)』というセンスの悪すぎる題名にげんなりして見ずじまいだった。 それを、非常に遅まきながら、本日やっと見た。 韓国のオリジナルを超えた出来だとおもう。 重返二十歲『20…

仏説は外道となにが違うのか

ウパニシャッドと仏教は類似点が多い。 中でも『バガヴァッド・ギーター』の教えは共通点が多い。 バガヴァッド・ギーターは荘厳なるものの歌、の意で、人格神への信愛の道を説くヒンドゥー聖典です。 ブッダは永遠不滅の人格神を説かなかったので、根本的に…

在宅出家 人生はかくのごとくシンプルだ

ターン・プッタタート家で出家する(在宅出家の仕方)より引用させていただきます。 雌鶏はね、卵を温める時しっかり温めるだけで、ヒヨコが生まれることを考えません。雌鶏は自然な方法で正しく卵を抱き、土を引っ掻いたり、卵を抱いたり、向きを変えたり、…

坂口安吾“堕落論”

NHK「100分de名著」は、伊集院光(司会)のファンでよく視聴してる。 以前坂口安吾“堕落論“第1回「生きよ堕(お)ちよ をやっていた。 NHK EPG番組内容を引用します。 戦前戦中の価値観の一切を否定し、そこから解放されるべきことを説く「堕落論」。坂口安吾…

不死人間伝説の正体

みな人の知り顔にして知らぬかな必ず死ぬるならひありとは(新古今和歌集 前大僧正慈円) この歌をほめて「人は必ず死ぬという誰でも知っているあたりまえのことを詠むのは案外難しい」といった評価がある。それは前提がちょっと違う、むしろ逆だろとおもう…

人は、死の事実を受け入れず、生き続ける嘘話に感動するほうを選ぶ。いつまでも生き続けたい自分を捨てないなら、いじめも戦争もなくならない。

以下の釈尊の言葉は、「なにをあたりまえのことをくどくどと」と思いたくなるほど、《誰でも知ってる事実》です。 この世における人々の命は、定相なく、どれだけ生きられるかわからない。惨ましく、短くて、苦悩に繋がれている。 生まれたものどもは、死を…

映画『コネチカットにさよならを』

『コネチカットにさよならを』予告編 - Netflix [HD] 無料ホームシアター【ストーリー】より引用 原作は、テッド・トンプソンによる2014年出版の同名小説。「着実な気質の土地」と呼ばれるコネチカット州にひっそりと佇む、通勤電車が走る高級住宅街。そんな…

ひとりで対談ごっこ 9回目

司会者 ここからは、世相を一刀両断にしてください。 現実主義者 無理だよ(笑) 司会者 じゃあ、悪口でもいいです。大悪口大会をやりましょう。ここに、犠牲者になってもらう相手をメモしてきたんです(メモを出す)えーっと、日本人、儒教道徳、女、政治、…

ひとりで対談ごっこ 8回目

仏教者 しかし、僕をやがて確実に襲い、僕が必ず従わされる「死ぬさだめ」は済んだことでもないし、なんとなく慣れていることでもない。 死ほど残酷なさだめはない。 恐ろしいもの(死)が確実にやってくるというのに、それが自分にとって何なのか、まったく…

ひとりで対談ごっこ 7回目

休憩終了。ひとり対談ごっこ再開します。 司会者 では、…「人間だけが持つ根源的不安」についての話から続けてください。 仏教者 平均人の不安は、単純に挫折の予感といいかえられる。 それは、もとは自分の肉体が不完全であることを知り、その事実が人間に…

ひとりで対談ごっこ 6回目

現実主義者 システム?それはどういう… 仏教者 昔、ケインズ経済学がもてはやされたころ、よく言われた冗談とも本気ともつかない話として、こういうのがあったのをみんな知ってるでしょう。 不景気な世の中で、失業者がなにもせずに生きてゆくわけにはいかな…

ひとりで対談ごっこ 5回目

現実主義者 本当にそう思って生きると、理性と感情は自己として最高度に澄み切ってくる。 世の中の何がつまらなくて、何が大切か、本当のところが明瞭に分かるようになる。 仏教者 それはぼくも、似たような体験がある。 世界がすっかり違ったふうに見えてき…

ひとりで対談ごっこ4回目

(この前、ワイドナショーで、古市憲寿さんが複数のイマジナリーフレンドとしゃべってると言ったら、周りが、古市やべえ奴的反応になった。 おれは普通に共感して、嬉しくなっちゃったけどね。 この対談ごっこなんて、まさにイマジナリーフレンドの会話だから…

映画『天才スピヴェット』

映画『天才スピヴェット』 全体がひとつの美しい詩のような映画だ。 映画『天才スピヴェット』予告編 Wikipedia「天才スピヴェット」ストーリーより引用。 モンタナの牧場で暮らす10歳の少年スピヴェットは、身も心もカウボーイの父と昆虫博士の母、アイドル…

ひとりで対談ごっこ 3回目

キリスト者 特に、世界の中で今の日本は相対的に平和ですからね。 平和な日本の中で生きる者の多くは「このように安定した社会で、不満をいうのは贅沢だ」とも思っている。 仏教者 彼らの認識は最悪ではないが、まだ低い段階に止まったままですね。 人の世は…

ひとりで対談ごっこ 2回目

キリスト者 しかし、人は昔いじめられた仕返しをしたいという欲だけで、そこまで愚かにならないと思うな。 現実主義者 もちろん多くの人達にとって当面の問題は、経済的悪条件からくる生存の不安が精神を萎縮させていることでしょう。 現代日本のように、じ…

ひとりで対談ごっこ(一人四役)

自分の分裂気味の考えを整理するために、架空の人物を3人でっち上げて、対談させてみることを思いついた。 登場するのは、 ①キリスト者気取りの人。長いので略してキリスト者。②仏教者気取りの人。略して仏教者。③現実主義者気取りの人。略して現実主義者。…

戯笑は道に非ず

ヤレヤレ 周りで「笑いヨガ」流行りだした。 戯笑(ぎしょう)は道に非(あら)ず 『長阿含経』巻9の八大人覚 謂わく八大人覚は、 道、当(まさ)に少欲なるべし。 多欲は道に非ず。 道、当に知足なるべし。 厭きること無くんば道に非ず。 道、当に閑静なるべし。…

マインドフルネス

以前、NHKスペシャル キラーストレス 第2回「ストレスから脳を守れ」を見たときの感想。 「最新科学によってその効果が裏付けられた誰にでもできる画期的なストレス対策を、世界の最前線から報告する」といって、何千年も前にブッダが実践し悟った「今ここ」…

どうしようもないダメな自分

どうしようもないダメな自分を丸ごと心底信じきること と 機の深信がそのまま法の深信であるという、機法一体の自覚 (それぞれリンクあり) この二つのことは同じ内容だ。 自力と他力の表現法に違いがあるだけ。 にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ(文字…

賢明な悪人は存在しない

(ブッダの真理のことば ダンマパダ67,68 中村 元訳)から引用 もし或る行為をしたのちに、それを後悔して、顔に涙を流して泣きながら、その報いを受けるならば、その行為をしたことは善くない。 もしも或る行為をしたのちに、それを後悔しないで、嬉しく喜…

臭いものは元から絶たなきゃダメ

(ブッダの真理のことば344 中村 元訳)から引用します。 愛欲の林から出ていながら、また愛欲の林に身をゆだね、 愛欲の林から免(のが)れていながら、また愛欲の林に向って走る。 その人を見よ! 束縛から脱しているのに、また束縛に向って走る。 (引用終…

壊れた傘を路上に捨てる人の真実

昨日、こんなニュースをやっていた。 折れても放置しないで・・・飛ばされた傘が凶器に(18/08/09) おれは約3年前の記事(初出は7年前)で、以下のように書いた。 台風の時、壊れた傘をごく普通の善男善女が平気で路上に捨てていく。 暴風のさなかに捨てたら…

「気づき」が落ちれば、その時自分は死ぬ

(【真理のことば】ダンマパダ21 中村 元訳)より引用します。 つとめ励むのは不死の境地である。怠りなまけるのは死の境涯である。つとめ励む人々は死ぬことが無い。怠りなまける人々は、死者のごとくである。 (同 22)より引用します。 このことをはっき…

めげず腐らず発心百千万発はあたりまえのこと

ヴィパッサナー実践はすぐ忘れるし忘れてる時間のほうがだいぶ多い。 それでもめげず腐らず 一発菩提心(いちほつぼだいしん)百千万発(ほっ)する精神 で続けていく。 たとえいくらできなくても、仮にちっとも上達しなくても、これを退屈し止めるという選択肢…

リアルゾンビ「矢が刺さってる苦しみ」に気づかずゾンビ化する人間

(ブッダのことばから引用します。スッタニパータ331~334中村 元訳) 起てよ、座れ。 眠って汝らになんの益があろう。 矢に射られて苦しみ悩んでいる者どもに、なんの眠りがあろうか。 起てよ、座れ。 平安を得るために、ひたすらに学べ。 汝らが怠惰であり…

宝の山の真っ只中で飢え死ぬ人になるな

(武者小路実篤著「維摩経」より引用) 佛教の譬え話に、或る旅人が渇えて水をのみたいと思ってやっと水のある處へ出たが、其處は大きな湖水だったので何處から水をのんでいいかわからないので、とうとう水をのまない内に渇え死んだと云うのがあるが、馬鹿馬…

前記事の補足。YouTube 「修証義 第一章総序」

修證義 第一章 総序 Shushogi General Introduction にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ(文字をクリック) (過去記事再録)

成った聖者と、成る聖者

(修証義 第一章総序より引用します) 因果の道理歴然として私(わたくし)なし 悪を造りながら悪に非(あら)ずと思い、悪の報(ほう)あるべからずと邪思惟(じゃしゆい)するに依(よ)りて悪の報を感得せざるには非ず。 (以上) 世間では、悪と知らずにした過ちは…