人間は動揺が大好きである。
映画の広告の看板を見ても、
動揺した顔ばかりがかいてある。
(澤木興道老師)
大多数の人々は動揺が大好きなので、動揺の供給源である物語から離れたいと望んでいない。
自分が主役の映画に没頭して見入っている人のように、スクリーンの自分とそれを見ている自分を区別したがらない。
夢の中で、永遠に泣いたり笑ったりしていたいのだ。
その欲の力で、
自分は死んでも生きている
という無法千万なことを、勿論至極と盲信するくらいは朝飯前だったのだ。
彼らは、幼少期物心つく前に、それを鵜呑みにしたので、今現在、自分が不死を信じている事実さえ認めない。ほとんど自覚しない。
あの世の天国も地獄も、さらに言えば夢から覚める悟りも、すべてが夢物語の中で完結している。
彼らの現実はそういうシロモノだ。
大多数の人々は、共同幻想という夢の中でグループ惚けしていることをもって、自己の幸福と感じている。
この根本原因がある限り、未来永劫戦争はなくならず、日々いじめもくりかえされる悲惨な世界であり続ける他ないのは、自業自得の結果だとおもう。
(My Favorite Songs)
(過去記事統合増補編集再録)