哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

架空座談

架空対談12

仏教者 人生は、すばらしい。その美しさ、麗しさは賛嘆に値する。 しかし、人の死なねばならぬ宿命が、そのすべての輝かしさを灰色に塗りつぶしてしまう。 死とは、人間にとって最大の不可解なパラドックスです。 現実主義者 それはもちろんよく分かるよ。 …

架空対談11

キリスト者 じつに、感覚的体験というものが、新鮮に感じられるのは、はじめだけです。 してみると、これは感覚がわたしを欺いているのだと思わざるを得ない。 現実主義者 それは、男女間の快楽にもいえますか。 キリスト者 少なくとも、セックスの快楽につ…

架空対談10

現実主義者 いや、人によるんじゃなくて…ぼくはこうだと思う。 人間、年とれば目はかすんでくる、耳は遠くなる、すべての感覚的な快感は年とともに失われてしまう。 で、この避けられない事実によって、若者は二通りの努力を平行して心がけるべきだと(笑) …

架空対談9

キリスト者 特に、世界の中で今の日本は相対的に平和ですからね。 平和な日本の中で生きる者の多くは「このように安定した社会で、不満をいうのは贅沢だ」とも思っている。 仏教者 彼らの認識は最悪ではないが、まだ低い段階に止まったままですね。 人の世は…

架空対談8

仏教者 なにか、自分に欠陥があると決めこんで、しかも他人に直してもらおうと、あちこち持ち歩いてしまう。 そのいっぽうで、世間の低劣な情欲を自分の上に現して、いたずらに宿業を重ねている。 キリスト者 結論から先に言っちゃうとね、人間は神を、神の…

架空対談7

現実主義者 しかし、死期がせまった世界有数の大金持ちが、名を隠してふらふらしてたって話が昔あったんですよ。「自分はなぜ死ななきゃならないのか。億万長者になった今、生きていればなんでも思いのままなのに」と悩んだのかもしれない。 仏教者 人生の空…

架空対談6

キリスト者 しかし、人は昔いじめられた仕返しをしたいという欲だけで、そこまで愚かにならないと思うな。 現実主義者 もちろん多くの人達にとって当面の問題は、経済的悪条件からくる生存の不安が精神を萎縮させていることでしょう。 現代日本のように、じ…

架空対談5

現実主義者 それは、たとえばこういうことでしょうか。 何か事件を起こした人の親もとに「自分が親なら、世間への申し訳なさに死ぬだろう。おまえたちはよく平気で生きていられるものだ」などと、しつこく電話してくる… 仏教者 「おまえたち親は、責任をとっ…

架空対談4役に立たない

仏教者 世界のありさまを、別のたとえで言います。 用向きや目的地を聞かずに、あわてていっせいに走り出してしまった、元気はいいが粗忽な子供たちに似ています。 彼らは誰一人「なんのために、どこへ」という肝心のことを知らないで走っている自分達のばか…

架空対談3

キリスト者 しかし、もちろん人間の幸福は食べることではない。 仏教者 食べることは、幸福どころか、実は苦なんですが、まあ、それは今は言いません。 キリスト者 現代は、あらゆることがなんか変だと、ごく普通の人々が感じている時代でもあると思います。…

架空対談2

キリスト者 人間個人についても、こんな人柄の人ならかならず大往生できるとか、こんな人物なら畳の上で死ねるというような人は、いまはひとりもいなくなった。 現実主義者 でも、ぼくは今までのところ、この人間社会はよたよた歩きながら、少しづつ良くなっ…

架空対談1

自分の分裂気味の考えを整理するために、架空の人物を3人でっち上げて、対談させてみることを思いついた。 登場するのは、 .リスト者気取りの人。長いので略してキリスト者。 ∧教者気取りの人。略して仏教者。 8充村腟措垉ぜ茲蠅凌諭Nして現実主義者。 …