智慧のガイドラインーー無明を破る①|スマナサーラ長老の初期仏教法話(21 Nov 2021 由宇ふれあいパーク) - YouTube
〔感想〕
無明とは、人間にとって単なる無知ではなく、もっとはるかに積極的な機能を持ってるはずだとおもう。
無明の助けがなければ人間はいまだに言葉さえ喋れないだろう。
人間は誰でも当たり前に、時空という極めて高度なセンスを持ってる。これも無明の仕事だ。
無明こそ人間を今現にあるように育て上げ、今も生かし続けてるエネルギーだ。
では、なぜブッダがこれに「無明」という否定的意味を持つ言葉を当て、貪瞋痴と分析し、最優先で克服すべきものと説いたのか。
無明は、人間にとんでもない悪さもするからだ。
人間に言葉をしゃべらせ時空の観念を与え等の、人間を生かすプラスの働きが同時に人間を滅ぼすマイナスの働きでもあり、幼少期を脱した人間にとってプラス面よりマイナス面のほうがはるかに大きいからだ。
マイナス面とは、
例えば人間は決して死を受け入れることができない。
自分は不滅の魂だと妄想してる。
これはいじめ乃至戦争の真因だ。
例えば「逆も真なり」は論理の初歩的誤謬であると学んでるのに、決して認めてない。
口先でいくら否定しても、彼らの行動によって、毎日自分で明確に証明してることだ。
しかし、これを道徳の問題にして非難し合うのは無益だ。
だって彼らは悪くないのだ。
彼らはそうするしかないから。
これらから巨大で深刻な禍が生じて、人間を自業自得で苦しめ続けてる。
人間は苦しみの中で、さらなる苦しみを求め夢中になってる。
無明の無明たるゆえんだ。
おれは以前、
『盲目の意志』は無明だ!…
『盲目の意志』は無明だ!…
ショーペンハウアーを読んで、初めて、ブッダの説く無明がちょびっと分かった気がした。
「無明は単純に不知 Nichtwissen の意である」(『原始仏教の実践哲学』、昭和二年、『和辻全集』第五巻 234 ページ)であって、それ以上の何ものでもないのだ。
という主張が無明に関する学界の絶対権威になってるらしい。
これは、人間の直面している事実の話を、学者がたんなる語源話で上書きしてしまったんだとおもう。
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