哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

山田太一名作ドラマ「岸辺のアルバム」と「今朝の秋」

 

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 山田太一原作・脚本 

岸辺のアルバム」全15話

 

 おれはこのテレビドラマを20代の時に観た。

それを今日、数十年ぶりに観返したのだ。

 

一つ一つのセリフが的確で活き活きしている。

今でも、少しも古くなっていない。

まぎれもない名作だと改めて感服した。

 

 

 

主人公(八千草薫)の友達が、死期迫る病室のベッドで語る言葉に、当時のおれは激しく胸を突かれた。

 

今こうやってると、よく男を買ったねって、自分をほめてやりたいくらいなの。あの事がなかったら、わたしの一生って何だったんだろう。心が沸き立つようなこと、何にもなかったんだもん。あいつを買った時だけ、わたし血が燃えるような気がしたわ…よく勇気を出して買ったねって、自分をほめてやりたいの

 

霊安室で、このショッキングなセリフが主人公の脳裏でもう一度響く。

 

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このドラマを観てからすでに半世紀以上たったが、おれは折に触れて何度も、この死ぬ間際の女のセリフを、思い出したものだ。

 

 

嫌な思い出だったけど、ないよりはよかった。何にもない人生よりはよかったわ

 

 

 

 

これって、どういうことなんだろう。

おれは長い間ずっと考えてきた。

 

 

 

 

今ならわかる気がする。

 

 五蘊に夢中の人々は、最後の最後まで、五蘊に夢中であり続けるほかない。しかも、そういう自分たちを誇り、互いに励ましあい慰めあい褒めあってやまない。

 

苦に夢中なら苦から解脱できっこない

 

ってことだったんだと。

 

今朝の秋」はそういう生き様を見事に活写した名作だ。

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苦に夢中なら苦から解脱できっこない 

 

これ以上ないくらい、わかりきった話だったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (My Favorite Songs)   

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