哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

坂口安吾「明治開化安吾捕物」と「精神病覚え書」

 

 10時過ぎ、松屋で遅い朝食をとる。

得朝牛皿定食ご飯特盛税込390円を注文しがちなおれ。松屋は白飯が美味い。


 食べながらのMP3は、

大昔一度聴いて最近ランダムに再聴してる

坂口安吾の名作「明治開化安吾捕物シリーズ全20話

朗読 坂口安吾 明治開化安吾捕物 ああ無常[挿絵付][青空文庫


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「明治開化安吾捕物」は、鬼才坂口安吾にしては意外なほどおとなしい筆致に徹してる。それが功を奏したわけでもなかろうが、おおむね見事な珠玉を成している。最初のうちは、先ず剣術使いの泉山虎之介が勝海舟邸を訪ね、海舟が自分の推理を披露する等、変に型にはめて書こうとして自縄自縛気味だったが、この第4話「ああ無常」あたりから型にこだわる無駄を少しずつ止めて、一段と自在に書きだしてるようにおもう。

 

 

 

遅い時間に大盛りめし摂ったので、昼は食べずに帰宅。

夕食はレトルトハンバーグ湯煎して

と自家製チキンカツと漬物。

 

 ゆっくり食べながら明治開化安吾捕物の「時計館の秘密」と、同じく安吾のエッセー「精神病覚え書」を聴いた。

朗読 坂口安吾 明治開化安吾捕物 時計館の秘密[挿絵付][青空文庫


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【朗読_小説】坂口安吾・精神病覚書【読み聞かせ】


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[引用開始]

 昨年、帝銀容疑者の平沢氏が東京へ連行された時、新聞は、容疑者にすぎないものを、発表したのは不徳義である、と云って、当局を責めた。然し、もし、警視庁がこれを極秘裡に行い、ひそかに平沢氏を小樽から東京へ連行した場合、これを新聞記者が探知したならば、特ダネとして、全紙面をうめるぐらいに書き立てた筈である。現に、平沢氏の前に、水戸の某氏がひそかに取り調べをうけているとき、これを書き立てたのは新聞であり、当局は秘密にしていたのである。
 発表すれば、不徳義也と云い、しかも自らは、ひそかにスクープして発表し、それを得々としている。自ら背徳を行いつゝ、それを他人にのみ責めて、内省することを知らない。[引用終]

 

マスメディアの背徳は、今も1ミリたりと変わってない。なぜなら、彼らの真の目的は部数を伸ばすことだからである。さらにSNSでは、個人がアクセス数欲しさに、完全確信犯でこれを一層露骨にやる。安吾の正論など歯牙にもかけないと世間は決めてるのだ。

[引用開始]

 精神病者は自らの動物と闘い破れた敗残者であるかも知れないが、一般人は、自らの動物と闘い争うことを忘れ、てんとして内省なく、動物の上に安住している人々である。

……………………

より良く、より正しく生きようとする人々は精神病的であり、そうでない人々は、精神病的ではないが、犯罪者的なのである。

[引用終]

この前の悲惨な戦争は、そのような動物の上に安住している人々の内から惹起されたとおもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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