映画『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』予告編
映画の冒頭、主人公の非常に印象的な独白がある。
「同じことを繰り返していたら、人は一生変わらないままだ。
変えようとしない限り何も変わらない」
これが映画の中で何度か出てくる。
エンドロール直前のラストにも生き残った主人公の娘が独白する。
「同じことを繰り返していたら、人は一生変わらないままだ。
変えようとしない限り何も変わらない。
何それって感じだけど、毎朝目覚めるたびに、その本当の意味を考えてる。
変わろうとしない限り、人は変われないから」
映画は凡作、このセリフだけが輝いている。
人は死ぬ直前に、本能から用済みのごみとして開放され、ようやく生き方を間違えていたとぼんやり気づくが、
その時は手遅れだ。
そこから「俺、俺のもの」は本能がでっち上げた幻想だと気づくには時間が足りず、直後に何もできないまま死んでしまう。
人生はデフォルトで
そうなる設定になってる。
すべての人間は、動物として生まれた時の初期設定がそうなってるので、必ずそのように死ぬしかない、自分で設定値を変えた人間以外は。
変えようとしない限り何も変わらない。
(ここが知ってるつもりでその本当の意味を案外知らない重要なポイントなので、もう一度念押しさせてください)
他人は、私が私に持つほどの関心を、私に持たないので、私のことを全然知らなくても「あなたを知ってます」と悪気なく言い、なんの痛痒も感じない。
私は、私に切実な関心を持たずにいられないので「自分のことを一番知らないのは自分だ」と感じる。
これは心理的な事実だ。
自分自身のことを知らないままの一生は酔生夢死の人生だ。
そして、非常に多くの人々の口先ではなく行動が示す考えはこうだ。
「幸福に生きられさえすれば
酔生夢死の一生でかまわない」
これは、
初めから白旗を揚げた人生だ。
欲望というものは、
人間の一生を徒労に終わらせる。
さあいよいよ死ぬというその
というのも、欲望のプログラムは、いまや死なんとする個体を、役立たずと見限って、
欲望から自由な認識
を、その瞬間初めて彼(彼女)に許すからだ。
どんな欲深い人間でも、死ぬ前には、それまで気づけずにいた存在の意味に卒然として目覚めかける。
残念ながら、
その直後に何もできず死ぬ。
すべての人間は、動物として生まれた時の初期設定がそうなってるので、必ずそのように苦痛と無力感に悶えて死ぬしかない。
だから人生の目的は、手遅れになる前に自分でデフォルト値を変えること。
つまり、この「死ぬ直前の気づき」を、ピンピンしてるうちになんとかして得ることだ。
変わろうとしない限り、人は変われない。
※ デフォルト値
ユーザーが設定を行わない場合に、
自動で使用される、プログラム側の既定値。
※サティ
「瞬間の現在(今・ここ)」に気づくこと。
※ヴィパッサナー実践
「瞬間の現在」に気づき続けること。
(My Favorite Songs)
We Are Confidence Man
(過去記事編集再録)