哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

洋画ヒューマン・ハンターとダウンサイズ

 洋画2本
を続けて観た。
 
ウィキペディア「ヒューマン・ハンター」【ストーリー】を引用させて頂きます。
経済破綻と気候変動により社会が崩壊した近未来。政府は国民の管理を「人民省」という機関に委ねていた。人民省のエージェントであるノア・クロスは、法律で定められた基準に生産力が達していない国民を「ニュー・エデン」という収容地区に強制送還することを職務としていた。新たにレイチェルとルーカスの親子をニュー・エデンへ送還する命令を受けたクロスだったが、彼はニュー・エデンの恐ろしい正体を知り、これを拒否。そしてレイチェルとルーカスを連れて、思い出の地であるカナダを目指すのだった。だが、政府が秘密を知ったクロスを放っておくはずはなく、三人は人民省により命を狙われてしまうのだった。
 

 エゴの幻想を克服できなければ、近い将来「ヒューマン・ハンター」的悪夢が現実になる。


映画の最後は希望があるかのようだが、エゴの幻想がそのまま残る限り、同じ悪夢が1日目に巻き戻されただけだ。

 

ウィキペディアダウンサイズ」【概要】を引用させて頂きます。
サイドウェイ』のアレクサンダー・ペインと『オデッセイ』のマット・デイモンがタッグを組み、人口が増えすぎた地球での社会問題を解決すべく、人体を13cmに改造することにした夫婦を描いた異色のSF映画である。

www.youtube.com

 

 共産主義の壮大な実験が無残極まる失敗に終わった歴史的事実は誰でも知っている。エゴ幻想は、政治やテクノロジーで克服できない。

 


 科学がさらに発達しても人間のダウンサイズは極めて困難と思うが、仮に技術的に可能になる日がついに来ても、「俺、俺のもの」幻想が克服されないなら、今日の欲にまみれた人間を救うことは端的に不可能だと思う。


 人類絶滅から生き残るために博士達のグループが地下に造った「ノアの箱舟」に一緒に乗ろうと誘う主人公に、鉄の現実主義者ドウシャンの返答がリアルだ。
「彼らは素晴らしい人たちだが、ただのカルト集団だよ。…彼らは…あの下に行ったら狂って殺し合うだろ。我々より先に彼らが絶滅するよ」
 彼の言葉は的を射ている。「俺、俺のもの」幻想を共有していれば、どうあがいても結果は大して変わらないからだ。

 
 
 
 
 
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