哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

いざとなると理性的でも合理的でもなくなる現代人


 ここにある教祖が現れる。その身体からは光を発し、断食し空中浮遊など種々の超能力を見せ、博学で豊かな文学的才能を示す。

現代人は、ふだん昔の人々より理性的だと自負しているが、こういう輩に手もなくひねられるとおもう。
現代人はいざとなると、理性的でも合理的でもないからだ。


800年以上前の明恵上人はこう教えてる。


光るもの貴くば、蛍・玉虫貴かるべし。飛ぶもの貴くば、鵄・烏貴かるべし。不食不衣貴くば、蛇の冬穴に籠り、をながむしのはだかにて腹行ふも貴かるべし。学生貴くば、頌詩を能く作り、文を暗誦したる白楽天・小野皇などをぞ貴むべき。
されども、詩賦の芸を以て閻老(えんろう)の棒を免るべからず。されば能僧もいたずらごとなり、更に貴むにたらず。ただ仏の出世の本意を知らんことを励むべし。文盲無智の姿なりとも、これをぞ梵天帝釈天も拝したまふべき。

(栂尾明恵上人伝記 常の持言より。引用終)


 おれは死後の世界を否定するとか肯定するとかいう話はしてない。


「必ず老い必ず病み必ず死ぬ」という誰一人逃れることのできない明白な事実を正視しないために、これっぽっちも知らない死後の世界を手前勝手に共同幻想してる多くの人々に再考を促してるつもりだ。

占いとかパワースポットとか、初め「遊びでやってるだけ」とか言いながらけっこう本気になる。だから何度でも霊感商法に騙されもする。

まして種も仕掛けもなく身体を光らせて空を飛ぶ超能力教祖がもし現れたら、それだけですがりついてしまう人はけっこう多いだろう。

 

 

身体を光らせる超能力

空を飛ぶ超能力

そんなことは

救いと

なんにも関係ない

 

という単純明白な事実を理解できないからだ。

では、なぜ理解できないのか。

無常ということがはっきりわからないうちは、人は理性的にも合理的にもなれっこないからだ。

 

生病老死も一言でいえば無常だから。

身体を光らせて空を飛ぶ

超能力者も死ぬからね。

 

その辺の肝心のことが

まるっきりわかってないから

何回でも騙される。

自分は死んでも生きてる

と妄想してるかぎり、

この明々白の理がピンとこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (My Favorite Songs)

ゾンビーズ
なんども聴いた懐かしい曲「ふたりのシーズン」


The Zombies - Time Of The Season

 

(過去記事再録)