理解されない一切皆苦
意外だとはまったくおもっていないが、直前の記事で書いた「一切皆苦という事実」はやはりほとんど理解されないようだ。
その理由を考えてみた。
人間が生きるために通常の状態では避けることのできない迷妄が厳然と存在することに気づく人がほとんどいない。だから「人生楽ありゃ苦もあるさ」が事実に反するとは夢にもおもえない。これが最大の理由だと思う。
もうひとつの理由は、問題解決法としての「空気を読む」能力について。
この能力は「必ず老いて必ず病気になって必ず死ぬ」問題にたいしてはまったく無力だ。
いわゆる「空気を読む」ことに関しては、ごく普通の人の多くが驚くべき高いレベルに達している。またそのことをはっきり自覚してもいる。彼らは歴史上の偉人たちをこの点において時に凌駕するほどの能力を発揮することさえある。
当然、彼らはあらゆる問題の解決に常にこの得意の能力を使おうとする。
昔のことで都合よく忘れているが、彼らはかって「必ず老いて必ず病気になって必ず死ぬ」問題にたいしてこの能力を使ったのだ。
以下略。
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