(ショウペンハウアー みずから考えること 石井 正訳)から引用します。
紙のうえに書かれた思想は、一般に、砂にのこる歩行者の足跡のようなものにすぎず、なるほど、その人のとった道はわかるけれども、その人が道すがら眺めたものを知るためには、だれしも自分自身の眼を用いなければならない
(引用終)
その著者の足跡を、自分自身の足でできる限り丁寧に一歩一歩たどって歩いてみる。その人になったつもりで
(このつもりを真剣にやることが大事だとおもう)
すると滅多にない事だが、紙のうえに直接書いてなくても、その人が道すがら眺めたに違いないものが、自分の眼に見える瞬間が来る。
(この時、一種のヴィパッサナー実践になっているとおもう)
これこそが読書の醍醐味だ。
大量の流行本をななめ読みする輩の知るところではない。
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(過去記事増補再録)