おれが子供のころ ♪勝つとおもうな。おもえば負けよ~♪ という歌が流行っていた。 勝ちたいという欲を出すと負ける、という考えだ。
ところが最近は、これが逆になって、自分が勝った姿を頭の中で何度も思い描く「イメージトレーニング」が流行っている。 勝ちたいという欲を活かして勝つ、という考えだ。 「勝つとおもうな。おもえば負けよ」は、とんと聞かなくなった。
「勝つとおもうな。おもえば負けよ」は現実の人間の身の丈に合っていない『高級な教え』なので役に立たず、廃れたのだとおもう。
仏教にも「悟ろうとおもうな。悟りたい欲を捨てよ」という『高級な教え』があるが、現実の人間の身の丈に合わないので、害毒のほうが多く役に立たないとおもう。
以下根本仏教講義(7) 最終回 不満の理解が心を向上させる スマナサーラ長老より
ある経典で、お釈迦様は比丘たちにこのようにおっしゃいました。「もしどこかのお坊さんが悟りを開いたと聞いたなら、悔しくなってでも、慢心を持ってでも、自分も悟れるように精進しなさい」と。あの人にできたのになぜ私にできないか、あの人に努力できたのになぜ私に努力できないか、このように他人と比べることは慢心であり、ほんとうは悪いことなのですが、ある経典でお釈迦様は、そういう気持ちを持ってでも解脱するために頑張りなさいとおっしゃっています。これは「欲をもって欲を戒める」ということで、「自分も悟りたい」という欲を作るのです。隣のお坊さんが悟ったらすごく悔しい。「私もやるぞ」という大きな欲といいますか、希望を作って頑張るのです。
(引用文中の強調はわたしです)引用終。
悟りたいという慢心をもってでも頑張るのが正しい。 |