哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

自分が嫌いな人は他人も愛せない


 自分を愛せない人が他者を愛そうとしても、それは無理です。

キリストは
隣人を自分のように愛しなさい
と教えてます。

この教えを実行できるのは、
自分を本当に愛している者だけです。


(老婆心で付け加えますが、この隣人は、隣近所の人という意味ではありません)







 コーサラ国パセーナディ王の愛妻であるマリッカー夫人に、王が「誰を一番愛するか」と問うた時に、夫人ははっきりと、王ではなく「自分を一番愛します」と答え、それを聞いたブッダが「善いかな、本当に人は自分を一番愛するものだ」とおっしゃいました。それを踏まえた上で「おのれの愛しいことを知る者は、他のものを害してはならない。自分に引き比べて殺してはならない、殺さしめてはならない」と教えられた。
(ちなみに、これはマリッカー夫人に夫パセーナディ王を殺すなと言ってるわけじゃありませんよ。ふたりは相思相愛の夫婦でしたから)上記キリストの言葉に通じるものがあります。

嫌っている自分を他者には愛させようとする図々しい人が多い世の中で、このマリッカー夫人の応答は本当に正直で立派だと、昔初めて読んだときから感服しています。

自愛・他愛は同時進行することで相互補完する関係もあるのでしょう。しかし自然な順序は必ず自愛が先にあるはずです。
これは善悪以前の厳然たる事実です。この人生のスタート地点を曖昧にしたら、その後の全ての思考・判断・言動も曖昧になり必ず偽善に堕ちます。すると「自分に引き比べて殺してはならない、殺さしめてはならない」これさえわからなくなる危険が生じてくる。
人間は、すべての生物と同じく、ひとりの例外もなく「自分が一番愛しい」と強烈に思ってるのに、それに気づかないというか、曖昧にごまかす人が、他の生物を平気で傷つけるんだと思います。
http://rdsig.yahoo.co.jp/blog/article/titlelink/RV=1/RU=aHR0cDovL2Jsb2dzLnlhaG9vLmNvLmpwL2N5cW5oOTU3LzIyNTE4OTg2Lmh0bWw-

(過去記事08「ヒルティ5」「おのれの愛しいことを知るもの」「自分を本当に愛している者」の統合編集採録です)

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