《難問》
名所旧跡に落書きする人間は、時代や地域性に関わらず普遍的に存在している。この現象は消えることなくある割合で、常に発生している。この理由を述べよ。
最近、名所旧跡に落書きする者が増えている。
彼等は自分がなぜ落書きしたくなるのかが、わかっていない。
その恥ずかしい理由がわかっていない。
ショーペンハウアーはこう看破している。
「たとえば彼らは名所などを見物に行って、そこに自分たちの名前を書きつけたりするであろう。これは名所の方が自分になにひとつ働きかけてこないので、逆に自分の方から名所に働きかけようとしているためなのである」(ショ-ペンハウアーの主著「意志と表象としての世界・正編」第五十七節。西尾幹二訳・中央公論社)
落書きとは、「名所が自分になにひとつ働きかけてこない」と自分で白状する行為だ。
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