哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

架空対談22

仏教者
そうですね、男が女を誘惑しようと目の色変えてるってのは、ていたらくもいいとこで、人類の負債はその分だけ増え続けることになる。人類の精神世界の決算は毎年、度外れた赤字続きで…

司会者
ちょっと待って、なんか男の悪口になってる。男3人集まって男の悪口言っても面白くないので、最初にお願いしたとおり、言うなら女の悪口にしてください(笑)

仏教者
若い女の人は意外に正しい見方をしていますよ。男なんかより。

現実主義者
おい、おい(笑)

仏教者
まあ聴いてください。
若い女性は「自分に正直に」と一番に言うもんですよ。同じ年頃の青年にしゃべれせてみなさい。男の方はすでに早々と本来の自分を見失ってることが分かりますよ。
「社会に役立つ自分」とか「日本人の自覚をもった自分」「男らしい自分」等々、もっともらしい字面、言葉だけのガラクタと「自分本来の自分」というダイヤモンドを取り替えてしまっているんです。
ただし、若い女性の方にも問題があって、せっかくの自分に正直にという正しい見方の大切さ、かけがえのなさを自覚する(捉えなおす)能力において生得的な弱さがある。

キリスト者
たしかに、女の人にはそういう頼りないところがある。
それで結局「男と女が互いに愛しあい一緒に生き、子供をつくり育てていく以上の幸福は、人間にはないのです」って主張になる。

現実主義者
それはその通りだと、僕は思いますよ。

キリスト者
ええ、分かります。しかしそれは結果としてそうなだけだ。
女たちは、および多くの男たちも、そこに至る正当なプロセスを自身で歩いたのではないんです。
彼らは知識と知恵の間に存在している恐ろしいほどの深淵に気づかないんだ。

仏教者
知識としてだけなら、このごろの小学生なんか、みんな言うもんね。「なるべく良い大学出て、良い会社に入って、平凡でも良いから幸せな家庭を持ちたい」なんて言う(笑)

キリスト者
だから、彼らはいくつになっても自分に自信がもてない。知識はいくら積み上げたって自信にはならないんだから。

仏教者
それで彼らは強い意志力を欲しがるんです。強すぎる意志力の危険性にはひどく無知なままでね。あきらめない者の多くは、お決まりの自己欺瞞に追い込まれる。すなわち、精神の正常な柔軟性を欠いた単なる硬直傾向を我が意志力の強さと思い込むんです。





(続く)