哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

ハサミムシのおやこ

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「ハサミムシのおやこ」

 ハサミムシのお母さんは命がけの子育てをする。最後には、なんと子供たちに体をすっかり食べられてしまう。
食いちぎられぼろぼろの姿になっても、最期まで外敵から子供たちを守ろうと巣内をはいずりまわって息絶える。

 感動的だ。

 しかしよく考えてみると、その子供たちもやがて伴侶を見つけ交尾してまた子供に食われて死ぬことをエンドレスにくりかえしていくわけだ。

 それは全体としてどういう意味なのか、とおもわざるをえない。

 生命の営みは部分的に見ると感動的だが、全体として見たとき、それは地獄絵図ではないのか。


 釈尊一切皆苦と説いた。この世界のすべてが、結局はすべて苦であるという意味だ。

 この一切皆苦の洞察は、一般には不人気で、まったく支持されていないし、そもそも理解されたことすらないが、動かしがたい事実である。

 本能にとって非常に不都合なこの事実を、確実に知りきることからのみ、仏教は始まるとおもう。

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