雲を離れた月のように
さあ、この世の中を見よ。
王者の車のように美麗である。
愚者はそこに耽溺するが、心ある人はそれに執著しない。
(ダンマパダ171 中村 元訳)
釈尊は、この世がすばらしく美しいことははっきり認めている。
しかも、その美しさに執着するな。騙されてはいけないよ、と教えているのだ。
世の中は泡沫のごとしと見よ。
世の中はかげろうのごとしと見よ。
世の中をこのように観ずる人は、死王もかれを見ることがない。
(同170)
しかし、自分から喜んで騙され、共同幻想の中にどっぷり浸かっている人たちに、釈尊がそもそもなにを言っているのか分からないのはもちろんだ。
また以前には怠りなまけていた人でも、のちに怠りなまけることが無いなら、その人はこの世の中を照らす。──あたかも雲を離れた月のように。
(同172)
今までさんざん怠けてきて、もはや手遅れとあきらめていたおれでも、まだ間に合うかもしれない…