ショーペンハウアーは、しだいに高くなる三つの人間精神について語っていると思う。
キーワードは「生きんとする意志」だ。(以下は、おれのかってな解釈)
1
平均人(自然的人間)
生きんとする意志の肯定が動物同様に自然のままの段階。
(スタート地点は空海の十住心論と同じ。第一異生羝羊心にあたる)
2
野心家(悪人と正義の人)
生きんとする意志の肯定が自覚的積極的になる段階。これには二種類ある。
個別性の迷妄にとらわれている者は極端なエゴイスト=悪人になる。
個別性の迷妄をいくらか打ち破った者はその程度によって、冒険家、慈善家、革命家、宗教家などになる。彼らを「正義の人」と呼ぶことにする。
3
聖者
生きんとする意志を否定する段階。精神の最高の段階。
空海の十住心論よりも、簡潔明瞭だと思う。