哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

知的大衆は理性を持ったまま野蛮になる

 世界中の教育を受けた知的大衆は、理性を持ったまま日増しに野蛮になっている。

 大多数の人々が以前から、作り話のダーティハリー必殺シリーズデスノートキラの『正義』に強く共鳴していた。

今日そのイデーが現実となったフィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテの超法規的処刑を
「確かに過激だが、やむを得ない事情もある」
などと思慮深げに言いながら、内心では近ごろ稀な痛快事と感じている。

容疑者を裁判にかけず逮捕現場で射殺する(1ヶ月余りで1800件)超法規的殺人指令を実行したドゥテルテは、
『正義』の名のもとにデスノートで犯罪者を殺すキラと同じだ。
大統領権力というデスノートを持ったリアルキラだ。


しかし問題はドゥテルテ個人ではなく、ドゥテルテ的有能者を次々輩出する今日の社会にある。

大衆はずっと前から、この野蛮な正義を夢想し弄んできた。
そのエネルギーがドゥテルテを生み育てるからだ。

まさか矛先が自分達に向けられることはないと呑気に考えながら。

 人間は、獣のなかでもっとも獣らしく振舞うために理性を用いる。ゲーテファウスト