人間は、悟らない限り、みんな例外なく弱いもんだ。
愛する人が死んだら、空の上のどこかで生き続けている、見守ってくれている
と信じずにいられない。
おれだってそうだ。
この人は死んでも生きているという気持ちは、
いじめ乃至戦争の根っこの原因なのだ。
しかし、悟れないうちはおれにも誰にも
どうしようもないことだ。
愛する人が死んだら、空の上のどこかで生き続けている、見守ってくれている
と信じずにいられない。
おれだってそうだ。
この人は死んでも生きているという気持ちは、
いじめ乃至戦争の根っこの原因なのだ。
しかし、悟れないうちはおれにも誰にも
どうしようもないことだ。
彼が最初に努力するのは自己保存であるが、それへの心配をすませてしまうと、
ただちにおこなう次の努力は、端的にいって種族の繁栄である。
人間は単なる自然状態の存在であるかぎり、
努力できるのはせいぜいそれくらいのことであろう
(「意志と表象としての世界・正編」第六十節。西尾幹二訳・中央公論社)
ただちにおこなう次の努力は、端的にいって種族の繁栄である。
人間は単なる自然状態の存在であるかぎり、
努力できるのはせいぜいそれくらいのことであろう
とわざわざ述べている。