哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

映画「愛を積むひと」

「愛を積むひと」観終わる。
佐藤浩市、一流の役者だわ。
映画自体も、ちょっときれいにまとめ過ぎだけど、まあ★5だとおもう。







 人間は、悟らない限り、みんな例外なく弱いもんだ。

愛する人が死んだら、空の上のどこかで生き続けている、見守ってくれている
と信じずにいられない。

おれだってそうだ。

この人は死んでも生きているという気持ちは、
いじめ乃至戦争の根っこの原因なのだ。


しかし、悟れないうちはおれにも誰にも
どうしようもないことだ。



 ショーペンハウアー人間について
 
彼が最初に努力するのは自己保存であるが、それへの心配をすませてしまうと、
ただちにおこなう次の努力は、端的にいって種族の繁栄である。
人間は単なる自然状態の存在であるかぎり、
努力できるのはせいぜいそれくらいのことであろう

(「意志と表象としての世界・正編」第六十節。西尾幹二訳・中央公論社

と断じ、
幸福論の緒言で
幸福論を書き上げるには、私の本来の哲学が目標としている
一段と高い形而上学的・倫理的な立場を全く度外視しなければならなかった

(「幸福について」橋本文夫訳)

とわざわざ述べている。

しかし、このような指摘は、大多数の人にとって、猫に小判馬に念仏なので、
言っても詮無い。