直前記事の続きです。
(ショーペンハウアー「みずから考えること」心理学的覚え書 石井 正訳)より引用します。
強弱多少のちがいはあっても、わたしたちは、ひとしく、自分たちの営む業のすべてにおいて、終わりの近づくことをこいねがい、早くすませようとあせり、できあがるのを喜びます。
(引用終) これは、落ちついてよくよく考えてみると、非常に奇妙な事実だ、とショーは指摘する。なぜなら人間は一方で
(同)より引用
全般的な終局・いいかえるといっさいの終わりの終わりのみは、できるだけ、遠い未来に延ばすことを望みます。
(引用終)ということがあるからだ。
生まれてからずっと、苦痛と退屈の二大敵手に小突き回されながら、いっさいの終わりの終わりである死に、なすすべもなく追いやられる人生の根本矛盾を、ショーは指し示している。
生まれてからずっと、苦痛と退屈の二大敵手に小突き回されながら、いっさいの終わりの終わりである死に、なすすべもなく追いやられる人生の根本矛盾を、ショーは指し示している。
(過去記事増補編集再録)