死ぬ直前に、本能から用済みのごみとして開放され、ようやく生き方を間違えていたとぼんやり気づく |
に関して少し敷衍します。
欲望というものは、人間の一生を徒労に終わらせる。 |
さあいよいよ死ぬというその瞬間になれば、(認める気さえあれば)誰でも自分の一生によって、このことを痛感する。 |
というのも、欲望のプログラムは、いまや死なんとする個体を、役立たずのものと見限って、 |
欲望から自由な認識 |
を、その瞬間初めて彼(彼女)に許すからだ。 |
どんな欲深い人間でも、死ぬ前には、それまで気づけずにいた存在の意味に卒然として目覚めかける。 |
残念ながら、その直後に何もできず死ぬのだが。 |
すべての人間は、動物として生まれた時の初期設定がそうなっているので、必ずそのように死ぬしかない、自分で設定値を変えた人間以外は。 |
(過去記事増補編集再録)