哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

天才ハマクラのクセが強いファンタジー世界

「涙くんさよなら」

 子供のころよく聞いていたので懐かしい。
ある意味あほみたいな歌詞で、ある意味深い。

Johnny Tillotson - Goodbye Mr Tears - Kyu Sakamoto - Namida-Kun Sayonara)

 当時は英語のヒット曲を、日本語の訳詞で坂本九がカバーしてると思い込んでいた。
実は浜口庫之助作詞作曲坂本九歌唱のオリジナル曲をジョニー・ティロットソンがカバーしたのだと、後年知って驚いた。
 天才ハマクラは「花と小父さん」「僕は泣いちっち」「愛して愛して愛しちゃったのよ」「夜霧よ今夜も有難う」等、独特の名作を多数作詞作曲している。
 作曲の才能もすばらしいが、特に作詞において独創的で異様なファンタジーが炸裂していると、おれはおもう。

「花と小父さん」(歌:伊東きよ子)

 乙女チックなファンタジーの中に、ちょっと気色悪いおっさんの情念が秘められてる。

花と小父さん伊東きよ子 - YouTube




「有難や節」(歌:守屋浩)

懐メロ歌謡曲 40 守屋 浩

 当時子供だったおれは、古い俗謡にハマクラが歌詞をつけたこの「有難や節」を聞いて、非常に深い衝撃を感じた。
そして自分がそんな反応をした理由がさっぱりわからなかった。

 今ならわかる気がする。
この歌詞が、すべての日本人の(したがっておれ自身の)心の奥に秘めた民族的死生観(業の肯定)を白日の下に晒したと直感し、しかしおれはそれを許容できなかったのでショックを受けたのだと。


 この歌詞中に一瞬「それを止めたきゃ字(地)を変えろ」と出てくるから、ハマクラは業の肯定にもろ手を挙げて賛同したのではないともいえる。しかし当時のおれは「有難や有難や」の連呼しか聞こえなかった。




 ついでにこれも。
「愛して愛して愛しちゃったのよ」

マヒナスターズ&田代美代子 愛して愛して愛しちゃったのよ