哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

デフォ値を変えろ

 他人は私が私に持つほどの関心を私に持たないので、私のことを全然知らなくても「あなたを知ってます」と悪気なく言い、なんの痛痒も感じない。
私は私に切実な関心を持たずにいられないので「自分のことを一番知らないのは自分だ」と感じる。それは心理的な事実だ。

 自分自身のことを知らないままの一生は酔生夢死の人生だ。
そして、非常に多くの人々は酔生夢死の一生でかまわないとおもって生きている。それは白旗を揚げた人生だ。
死ぬ直前に、生き方を間違えていたとぼんやり気づくが、その時は手遅れだ。
人生はデフォルトでそうなる設定になっている。だから自分で設定値を変えなければ、そのように死ぬしかない。




唯一絶対神信仰の人々は正面から見ると誇らしげに胸張って微笑むが、後ろ手で白旗を揚げている。設定はデフォ範囲を出ていない。自我が神我にシフトしただけで、酔生夢死の一生という点では全く同じだからだ。自分の手のしていることを自分に知らせないようにして夢を見ているが。

(過去記事編集再録)