昔この国に、不干斎ハビアンという奇妙な日本人がいた。
禅僧だったがキリスト教に改宗し『妙貞問答』で仏教・儒教等を烈しく批判し、やがて棄教するや、幕府のキリシタン迫害に協力し『破提宇子』で烈しくキリシタン批判して死んだ。 この人一人が変人なだけだったら、おれには何の興味もわかない。ハビアンの著作を「筆鋒さえわたる合理的な批判」とかいう人もが多いが…どこが?って感じだし。上っ面撫ぜただけの浅っさい批判だからこそ、仏教否定したその同じ精神ですぐキリスト教否定できちゃうし弾圧に手も貸せる。おれの分類では野心家にあたる。 ハビアンが生きた戦国時代後期から江戸時代ではこのタイプの人間はハビアン一人かもしれないが、今の日本にハビアンタイプはいっぱいいるし、これから急増するに違いないので、ちょっと関心を持たざるを得ない。