水上勉原作「飢餓海峡」
内田吐夢監督の東映映画を先に観た。それがあまりにも良かったので、その感動の余勢で小説にも手を出したって感じだ。おれは敗戦直後の荒廃混乱貧困を、(ほとんど類推に過ぎないにしても)辛うじて実感できる最後の世代なので、小説にも映画にもリアリティを感じることができる。今の若者とかにはぴんとこない内容だろう。
「飢餓海峡」秀作
たぶん中学生の時だったとおもう。家の隣の東映で観た映画だ。ラストで三國連太郎扮する主人公が突然フェリーから飛びおり自殺する。その後の海と波の映像がいまだに鮮明なイメージとして残っていた。しかしストーリーや意味はまるで思い出せない。それが気になって何十年ぶりかで観なおした。わりと単純なストーリーだった。でも、今観ても見事な映画だ。
(過去記事加筆再録)
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