哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

閻老の棒を免るべからず


 ここにある教祖が現れる。その身体からは光を発し、断食し空中浮遊など種々の超能力を見せ、博学で豊かな文学的才能を示す。

現代人は、ふだん昔の人々より理性的だと自負しているが、こういう輩に手もなくひねられるとおもう。
現代人はいざとなると、理性的でも合理的でもないからだ。


800年以上前の明恵上人はこう答えている。

光るもの貴くば、蛍・玉虫貴かるべし。飛ぶもの貴くば、鵄・烏貴かるべし。不食不衣貴くば、蛇の冬穴に籠り、をながむしのはだかにて腹行ふも貴かるべし。学生貴くば、頌詩を能く作り、文を暗誦したる白楽天・小野皇などをぞ貴むべき。
されども、詩賦の芸を以て閻老(えんろう)の棒を免るべからず。されば能僧もいたずらごとなり、更に貴むにたらず。ただ仏の出世の本意を知らんことを励むべし。文盲無智の姿なりとも、これをぞ梵天帝釈天も拝したまふべき。

栂尾明恵上人伝記 常の持言

「自分は死んでも生きている」と妄想しているかぎり、この明々白々の理がピンと来ない。

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