2008-04-30 日本人はかわらんなあ 日々雑感 #宗教 坂口安吾「続堕落論」はおれにとってバイブルで、忘れられない本だ。以下は、その冒頭。 「私が小学校のころ、中野貫一という成金の一人が産をなして後も大いに倹約であり、停車場から人力車に乗ると値(ね)がなにがしか高いので万代橋(ばんだいばし)という橋の袂(たもと)まで歩いてきてそこで安い車を拾うという話を校長先生の訓辞に於(おい)て幾度となくきかされたものであった。ところが先日郷里の人が来ての話に、この話が今日では新津某(にいづぼう)という新しい石油成金の逸話に変り、現に尚(なお)新潟市民の日常の教訓となり、生活の規範となっていることを知った。 百万長者が五十銭の車代を三十銭にねぎることが美徳なりや。我等(われら)の日常お手本とすべき生活であるか。この話一つに就(つい)ての問題ではない。問題はかかる話の底をつらぬく精神であり、生活のありかたである。」 GSの長蛇の車列を見て、この一節をおもいだした。 https://philosophy.blogmura.com/buddhism/ ← にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ