怒りの毒
気の早い人たちは、必ず、自分が怒りはじめそうになったら、すぐさま、その事件を一時忘却するように、おのれにうち克つことを努めなければなりません。というのは、もしも、一時間後になってから、この事件に立ちかえってみるならば、彼らにとって、この事件は、もはや以前のように悪いものとは思われず、やがて、おそらくは、なんら意味のないことと見られるでしょうから。
(ショーペンハウアー「みずから考えること」心理学的覚え書 石井 正訳)
わかっちゃいるけど止められないわけで、気づいたときはすでに怒っているということもあるが、あきらめずに気づいた時点で怒りをフェードアウトすればいい。かっこ悪くても、そのまま怒り続けるよりはずっとましだ。
怒りの毒は、一生かかって積んだ功徳を一瞬で破壊するほどすさまじいと説かれているのだから。
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