法然上人のことばをいくつか。
論議はこれ智者の有なり。
更に愚人の分にあらず。
また諍論のところには諸の煩悩起る。
智者はこれを遠離すること百由旬なり。
況や一向念仏の行人においてをや。
解なくして師となるは、これ梵網の制戒なり。
黒闇の類の、己の才を顯さんと欲し、浄土の教をもって藝能となし、名利を貪り檀越を望み、恣に自由の妄説をなして、世間の人を誑惑し法を誑くの過、殊に重し。
これ寧んぞ國賊にあらずや。
(黒谷上人語燈録10 七箇絛起請文より)
※ 【由旬】ゆじゅん
古代インドでの距離の一単位。帝王の軍隊が一日に進む距離といわれ、約10km、約15kmなど諸説ある。
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大辞林)