あるとき釈尊は、
パーラドヴァージャは、食を受けるために立っている釈尊に告げた。
「沙門よ。わたしは耕して、種をまき、働いた後で食べます。
沙門よ。あなたもまた耕して、種をまき、働いた後で食べるべきです」
(釈尊)
「バラモンよ、わたしも耕して、種をまき、働いた後で食べるのです」
(パーラドヴァージャ)
「あなたは耕作者であるとみずからいっておられるが、あなたが田畑を耕しているのを、わたしは見たことがありません。おたずねします。あなたが耕作者であるというわけを説明してください」
(釈尊)
「信仰はわが播く種である。
苦行は雨。
知恵はわが
意は縛る縄。
念は鋤先と鞭。
身を慎み、口を慎み、食を慎み、真理をもって草を刈る。
柔和がわがいこいである。
精進努力がわが牛であり、
退くことなく、そこに至ったなら、もはや憂えることはない。
この耕作はこのようになされ、甘露の果を収穫し、いっさいの苦しみから開放される」
パーラドヴァージャはハッとした。
おれは昔、初めてこれを読んだとき、釈尊が詭弁を弄していると思った。
今、まったくそうは思っていない。
「クルーエル・インテンションズ」中佳作。
原作が優れている。ラクロの「危険な関係」
何度か映画化されている。
これは主役を上手に現代の高校生に置き換えたもの。