哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

抜き読みの支障

No.21【朗読】旧約聖書 伝道の書 全12章 / キリスト教 / カトリック / プロテスタント


おれは、最初期の記事「聖書の言葉4」

で、伝道の書(コヘレトの言葉)をとりあげて、

それにしても、

最後の最後に脈絡の感じられない、

取って付けたような御託宣


すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」、これこそ、人間のすべて。(12・13)

 

には白ける。

 

と、感想を書いた。


ところが後年、世界の名著「聖書」(責任編集 前田護郎)で「伝道の書」(コヘレトの言葉)を読んでいて、注記に気づいた。


すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」、これこそ、人間のすべて。
は、編集者が聖書の本質との整合性をとるために後から付け足した文言だともとれるようだ。
よく小説家などが、物語への世間の反感をかわすために、最後の1行でこの種のリップサービスをして、無難におさめることをする。おれは、抜き読みする癖が災いして注記を見逃し、コヘレト自身がそれをしてるとおもった)



最初に「コヘレトは言う」で始まり、最後に「、とコヘレトは言う」で囲ってあるから、注記がなくても、おのずからそれ以下の言葉はコヘレトと別人の調整処理(後代の挿入)かも、と気づかねばならない。後人の余計な「改良」は伝承文献に普通にある弊害で、しばしば矯角殺牛を招く。

気づかなかったのは、おれの不注意に過ぎない。

 

 

 


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前田護郎個人訳新約聖書

 





 

 

 

 

 

 

 

 

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(過去記事統合増補編集再録)