昔読んだ、森鷗外の名作小説『雁』の映画をネットで観た。
壮大な生存の旅:雁」(1953) | クラシック冒険ドラマ | フルムービーHD (The Wild Geese)
うっすら覚えている小説の展開と違っている気がしたので、青空文庫で原作を読み直してみた。
商業的成功が至上命令の映画の原作としては、蛇退治の件くらいしか盛り上がりのない地味すぎる小説だ。
そこで、蛇退治以外にも原作にない大小数々のピークシーンを巧みに織り込んで、一方映像化に向かない原作の文章は大胆にカットし、全体として(当時としては)刺激のある娯楽映画に仕上げてある。
登場人物も総じて、原作より人間臭くわかりやすく描かれている。
もちろん大文豪鷗外の名作なので、基底に流れる哲学と心理は奥深いのだが、それを映画で無理に描いても難解になるだけで、商業的成功は望めないから、これは当然の対応だ。
いまなら、もっとド派手に脚色しないと、再映画化の企画は通らないだろう。
(My Favorite Songs)
Got To Get You Into My Life - Leonid & Friends (Earth, Wind & Fire cover)
The Doobie Brothers - Listen To The Music (Live in Isolation)