懐讓禅師の師は六祖慧能禅師。
弟子の南嶽懐譲から臨済宗、青原行思から曹洞宗など、後の五家七宗全てが六祖の門から出る。
慧能禅師の説法集『六祖壇経』は、おれが見た禅書のなかでいちばんおもしろかった。
この言葉をきっちりと受けとめないうちに、続けて「無一物中無尽蔵」と聞いて、「ああ、そういうことね。分かった」と思わないように。
「本来無一物」は悟りの言葉。
聞いてすぐ「ハイ、分かりました」とはいかない。
「本来無一物」と聞いてドキッとし
「無一物中無尽蔵」でホッとして
「ハイ、分かりました」では、
元の木阿弥、
なにも分かっていないのだ。
五祖の優秀な弟子、神秀上座の偈頌。
身は是れ菩提樹
心は明鏡台の如し
時時に勤めて払拭せよ
塵埃を惹かしむること莫れ
それに対する新入り慧能の偈頌。
菩提本樹無く
明鏡も亦台に非ず
本来無一物
何れの処にか塵埃を惹かん
おれは神秀の歌が慧能に劣っているとは思えない。
立場が違うのだと思う。
慧能の歌は「本来無一物」の一句だけが輝いている。
(My Favorite Songs)
憂歌団も決して忘れられないグループ。
かっこよかった。
この「君といつまでも」を初めて聞いたとき、なるほどこれもありやなと思った。
憂歌団 君といつまでも(スティ・ウィズ・ユー・フォーエバー)
(過去記事統合増補編集再録)