次の言葉を人に聞かせて、感想を訊いてみる。
子女ある者は子女について喜び、牛ある者は牛について喜ぶ。人間の執着するよりどころは喜びである。執着するよりどころのない人は実に喜ぶことがない。
すると、10人が10人とも、
「そのとおりだと思う」
と答える可能性が高い。
世間的に賢者と認められてる人物でさえも。
(おれは実際、何度か当たってみて確かめた)
ところが、この言葉を発したのは
悪魔
なのだ。
権威ある仏典スッタニパータで、確かにそうなっている。
釈尊はその悪魔パーピマンに、こう応じた。
(なんと鮮やかな返しだろう!)
子女ある者は子女について憂い、また牛ある者は牛について憂う。実に人間の執着するよりどころは憂いである。執着するよりどころのない人は、憂うることがない。
(スッタニパータ1,33~34中村 元訳)
これは結局、人間の選択問題だと考える人が多い。
しかし実は、
選択の余地はまったくない
と、おれはおもう。
(おまけ)
バリー・マニロウ。
「マンディ」
リンジー・ディ・ポール。
「シュガー・ミー」
ブロンディ。
「ハート・オブ・グラス」
(過去記事統合増補編集再録)