哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

あたりまえすぎることはかえってわからない。

釈尊は言われた
(現代語仏教聖典 釈尊編 11章3節)より引用します。


道に達するのは容易ではない。
(しか)し道を得なければ、一層苦である。

この世に生まれた者は、必ず病み、老い、且つ死する。
苦には限りがない。
罪をつくって、生死を繰り返す。
その苦しみは到底、言語では表現することができぬ。




(同17章1節)より引用します。


道を得た者を見て、われは未だ得ておらぬと悲しんではならぬ。
数十人の人が、的を射るに、当たる者も、当たらぬ者もある。
然し射て止まざれば、遂には的中するであろう。
谷川の水も、大河の水も、次第に流れて大海に入る。
仏道も、修めて止まざれば、後には聖果を得るのである。

(引用終。強調は私です)



 道元禅師も『正法眼蔵菩提心(発無上心)』に
一発菩提心を百千万発するなり
と教えている。
これは、求道をあきらめずに頑張れという意味ではない。

退屈し求道を止めるという選択肢は生まれた瞬間から無いという事実をいっている。











求道をあきらめずに頑張れという意味ではない。←これに関して、老婆心ながら追記します

 

 

 

坐禅して一発悟りたい、と頑張っている人へ(内山興正著)より引用

…「一発菩提心を百千万発するなり」ということを、いまだサトリを得ていない修行者たちに対し、修行をゆるくすべからざることを誡めることばと思うなら大違いです。発心百千万発するところにこそ、ナマのいのちがナマのいのちとして息づいているのです。ところが先に言ったようにせっかく祇管打坐の坐禅を始めながら、それが腹応えがないからといって修行に退屈し止めてしまう人達は、この「発心百千万発」を「アタマで考えて」しまうからです。そして「それじゃ大変だ。そんな百千万発せねぱならぬのは、まだサトッテいないからだ。ぜひとも一発ドカンと悟って、一発で片付けたい」と思ってしまうのです。それはまるでわれわれ赤ちゃんとして生まれて来た時、「これからお前は一生の間、今の息は今息しつつ、百千万発の呼吸をせねばならぬ」と聞いて、「それは大変だ。何とか、一生の息を一発ドカンとやらかして済ませたい」と思うようなものです。そんなこと出来るはずはありませんが、それなればこそ上の「発無上心」のご文につづいて、「しかあるに発心は一発にして、さらに発心せず、修行は無量なり、証果は一証なりとのみきくは、仏法をきくにあらず、仏法をしれるにあらず、仏法にあふにあらず」と言われます。つまり一発ドカンとさとるつもりになるのは、ナマのいのちをナマのいのちとして受け取っていないからです。

 とにかくわれわれ生理的ないのちでさえも一生の息を、その時その時、いま息しつつ初めて生きていくのですから、いわんやナマのいのちを生きるのも当然そういうものだとして「アタマで考えてしまう」のではなく、「いのちとして」受け取ればこそ、自分のナマのいのちを生きる姿勢もキマリます。その時こそが「一生参学の大事ここにをはりぬ」であると同時に、本当の祇管打坐の修行が始まる時です。これを修証一如と言い、証上の修とも言います。

(引用終)















求道とは、サティの持続によって今ここを生きることだ。

あたりまえすぎることはかえってわからない。
やるしかないから、できるまでやるのは当然のことなのだ。

やるしかないことでも先延ばしにできるが、それは愚か者のすることだ。
なぜなら、この世に生まれた者は、必ず病老死する。この苦は限りがなく、ブッダの能力をもってしても
「到底、言語では表現することができぬ」
ほど甚だしいものだからだ。

道に達するのは容易ではない。(しか)し道を得なければ、一層苦である。
には、そういう選択肢無しの厳しい含意がある。

















(おまけ)

ニルソン。
「ウイザウト・ユー」

これもなかなかの名曲でしょう。

シャウトするあたりがぞくっとくる。

 

 

 

 

 

 

 

 オリジナルはバッドフィンガーなんだけど。

 

 

 

 

ニルソンは歌唱力で本家のお株を奪った。

 

 

 

 

 

 ニルソン。もう1曲「うわさの男」。
これもフレッド・ニールのカヴァーだが、すっかりニルソンの持ち歌にしてしまってる。

 作詞、作曲、演奏、歌唱全部自分でやってるアーティストの歌を、ニルソンは歌唱力だけで奪い取り自分のものにする驚異のアンカーマンだ。
 
 

verybody's Talkin' - Nilsson (With lyrics on screen)

 

 

 

 




(過去記事統合増補編集再録)