哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

「楢山節考」木下恵介版

 
 
 
 「楢山節考」は、学生時代に観て最も衝撃を受けた映画。
 
二つの映像が今も脳裏に焼き付いている。
一つは、おりんが石で自分の歯を折った血だらけの口でニタと笑うシーン。
二つは、雪の中で座っているおりんが、戻ってきた息子に無言で(いねいね)と手を振るシーン。

2回映画化されているが、おれはこの底恐ろしい木下恵介版が好きだ。
 
 
 目先をちょっと変えられると、もう別物だと思って気づかない間抜けな世間だが「楢山節考」は貧しかった時代のたんなる伝説ではない。
現代社会も、覆っている薄皮一枚めくれば、すぐにこの世界は現れるし、いま現に透けて見えている。
 
 
 
 
 
 
(過去記事再録)