哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

他力浄土系 キリスト教

適応で満足するな。応答しろ。

(吉本隆明「良寛」から引用) 親鸞の解釈の仕方によりますと人間は具体的に生きているとか死んでいるとかいうところ、つまりその人がその人であるというところでは人間は本質的な存在ではない、というのです。これを現在のいい方でいえば、人間はいつも現に…

あなたはパウロに現れたのに、どうして、私に現れないのか

田中小実昌『アメン父』より引用。 「あなたはパウロに現れたりしたのに、どうして、私に現れないのか」 と父がけんかするみたいに言っている(祈っている)のを、母はなんどか聞いたそうだ。 (強調処理は私です。原文にはありません。引用終) 気持ちは痛…

迷信に身を任せて安楽…グロテスクな生き方

お守りは不安の泉~理性を育むと迷信は消える~スマナサーラ長老法話より …人が迷信に頼ることは、これからもなくならないと思います。皆、将来は不安です。 これから先、どうなるのかわからないのです。受験しても合格できるか、 商売しても繁盛するか、今…

自分の宗教を愛していても他宗教を尊敬せよ

「マザーテレサ 日々の言葉 いなます みかこ訳」9月3日のことばより引用します(青文字部分) この世界における核弾頭の存在は国家間に恐怖と不信を引き起こしています。 という切迫した状況下で真に恥ずべきは、宗教間でいつまでも咎めあって分裂していること…

親鸞「廻心は一度切」と道元の批判の関係

他力信仰者に 一発菩提心を百千万発するなり(昨日の記事) の教えは必要がない。 そのことは絶対神信仰構造に最初から分離できない形で含まれているからだ。 だから親鸞は安心して 廻心といふことただひとたびあるべし と説くことができた。 「一発菩提心を百…

四聖諦→苦聖諦→呼吸のサティ

苦しみを知らず、また苦しみの生起するもとをも知らず、また苦しみのすべて残りなく滅びるところをも、また苦しみの止滅に達するかの道をも知らない人々、── かれらは心の解脱を欠き、また智慧の解脱を欠く。かれらは(輪廻を)終滅せしめることができない。か…

自業自得の『終末の時』神も仏も嘆いたりはしない

マルティン・ルターが嫌った「ヤコブの手紙」は、一時異端視され聖書から削除されたが、おれは好きです。(後に、正典に戻される) 自分を欺いて、聞くだけで終わる者になってはいけません。(ヤコブの手紙1・22より 新共同訳) わたしの兄弟たち、自分は信…

神と悪魔が天使達の前でどつき漫才やってる

旧約聖書朗読 ヨブ記.MP3 を聴く。 神とサタンが、大勢の天使の前でどつき漫才やってるようなもんだ。 舞台でどつき合っても楽屋じゃ仲がいいと思う。 この何千年も続く長い漫才のネタのためにどつきまわされてる人間は堪ったもんじゃない。 (過去記事増補…

「安心なんてないさ」というほんとの安心

御法語(法然上人行状画図)より引用します。 おほよそ佛教おほしといへども、所詮戒定慧の三学をばすぎず。所請小乗の戒定慧、大乗の戒定慧、顕教の戒定慧、密教の戒定慧也。しかるに、わがこの身は、戒行にをひて、一戒をもたもたず。禅定にをいて、一もこれ…

『三十四丁目の奇跡』クリスマスNO.1映画

まず 町山智浩さんの適切な映画解説 を聞きましょう。 あるがままの事実よりあってほしい幻想を必要とする大多数の人々に、まもなく迎えるクリスマスに向けて この名作映画をお勧めします。すごく気持ち良くなれること請け合いです。(けっして皮肉や嫌味で…

易行でも、本気ださないと難行になる。難行でも、本気だせば易行になる。

(教行信証・行巻 石田瑞麿訳)から。 この文は親鸞聖人が曇鸞大師『往生論註』から写されたものです。 曇鸞大師は、仏道修行成就を難しくする原因がおよそ五つあると説いています。 一つには、異教の徒(外道)の相対的な善は、菩薩の法を乱す。二つには、…

無常観門と罪悪感門

宗教に入る門は、大きく別けて二つあると思う。 無常観門と罪悪感門である。おれは無常観を深める努力によって仏法に親しくなっていく生まれつきらしい。おれがもし無理に自己の罪悪意識を深めようと努力し、それによって宗教的に深まろうとすれば必ず偽善に…

絶妙手の代償

(禅に聞け 澤木興道老師の言葉 櫛谷 宗則編)より引用します。 科学者の実験──それがわれわれの場合では修行である。実験のない科学がツマラヌように、修行のない仏教はツマラヌ。 (引用終) おれは仏教徒だが、仏教、キリスト教、イスラム教が深奥におい…

ギフト。包装紙が違うけど中身は同じ。

どうしようもないダメな自分を丸ごと心底信じきること ←リンクあり と 機の深信がそのまま法の深信であるという、機法一体の自覚←リンクあり この二つのことは同じ内容だ。 自力と他力の表現法に違いがあるだけ。 (過去記事編集再録)

丸ごとの自分を心底信じきる

過去記事に何度も書きましたが、おれには仏教とキリスト教の呼応関係を見つけて喜ぶマニアックな趣味があります。 ヒルティの言葉を(幸福論第二部「人間知について」草間平作・大和邦太郎訳)から、もう少し引用します。引用文中の強調は私です。青文字がヒ…

ヒルティの言葉が、二種深信の見事な解説に聞こえる

10月17日の記事「宗教間のシンクロニシティ - 哲学日記」で、 中国浄土教の大成者善導和尚の言葉とスイスの哲学者ヒルティの言葉が、時間と空間を超えて呼応し合っていて、互いに相手を照らす関係として両者を捉え直すことができ、そうすることで理解が深ま…

宗教間のシンクロニシティ

(ヒルティ幸福論第二部「罪と憂い」草間平作・大和邦太郎訳)より引用します。 「主よ、わが罪の深さをあらわしたまえ、しかしあなたのみ恵みの深さをもお示しください。」(同胞協会賛美歌526番)。この言葉のいずれか一方がなかったならば、人は絶望に…

滅びに至る多くの人々のために嘆いたりはしない

(聖書 エズラ記6・33,34 新共同訳)より引用します。 信頼せよ。恐れるな。今の時代に焦ってむなしいことを考えるな。 そうすれば終末の時が来ても慌てることはない (引用終) 『終末の時』ってなんだろう? それは、人類全体にもいつか来るだろうが、個人…

イギリス映画「ミス・シェパードをお手本に」

[ストーリー]より引用。 …北ロンドン、カムデンの通りに止まっている黄色いオンボロの車で暮らすミス・シェパード。近所に引っ越してきた劇作家のベネットは、路上駐車をとがめられているミス・シェパードに声をかけ、親切心から自宅の駐車場に招き入れる。…

怖すぎる旧約聖書

旧約聖書の言葉を。 (イザヤ書45・6~10 新共同訳)より引用します。わたしは主、ほかにはいない。光を造り、闇を創造し平和をもたらし、災いを創造する者。わたしが主、これらのことをするものである。 ……災いだ、土の器のかけらにすぎないのに 自分の造り…

聖書~読み手を終末ビジョンに引きづりこむ編集~

聖書を読んで痛感するのは、終末観の強烈さだ。 おれは中学生のころに、創世記から読みはじめて、 気づいたら終末のビジョンにとりつかれていた。 聖書は、真剣に読む者すべてを終末ビジョンの世界に引っぱりこむ、巧妙で綿密な編集がなされている。 (途中…

貪瞋痴の毒を久しく食べてきた人達がもっと食べろと言いあっている

題に引かれて手に取った本。副題に「防災オンチの日本人」とあるように、人間の防災心理に関して警鐘を鳴らした言葉だった。 しかし… 人は皆、普段から普通に「人は死んでも、自分だけは死なない」と信じている。なにも防災に関してだけ、そうおもっているわ…

親鸞「廻心は一度切」と道元の批判の関係

他力信仰者に 一発菩提心を百千万発するなり の教えは必要がない。 そのことは絶対神信仰構造に最初から分離できない形で含まれているからだ。 だから親鸞は安心して 廻心といふことただひとたびあるべし と説くことができた。 「一発菩提心を百千万発するな…

良い心で悪い心を除けると思うなら、あなたは、ぶよは除くが、らくだは飲み込んでしまう

19日の記事、ブッダの獅子吼「筏のたとえ」に 「ウォーキング中に、ネットからMP3プレーヤーにDLした聖書の朗読を、よく聴いている。 新約だけでなく旧約の詩篇や箴言などもじつに興味深い。 キリスト教の様々な教えが、仏教の様々な教えと、ちゃんと照応…

仏教徒が聖書を読んでみる

マルティン・ルターが嫌った「ヤコブの手紙」は、一時異端視され聖書から削除されたが、おれは好きです。(後に、正典に戻される) 自分を欺いて、聞くだけで終わる者になってはいけません。 (ヤコブの手紙1・22より 新共同訳) わたしの兄弟たち、自分は信…

永遠なんて人間に分かるわけがない。それはただの言葉

14時過ぎ、キリスト教系布教女性2人組来訪。 玄関前で傘さしながら立って話す。 相手が、神は永遠の昔から存在していると言うので 「永遠なんて人間に分かるわけがない。それはただの言葉ですよ。分らないと言ってるのと同じことです。 物には作り主がいなけ…

「廻心は一度切」について

他力信仰者に「一発菩提心を百千万発するなり」の教えは必要がない。 そのことは唯一絶対神信仰構造に最初から分離できない形で含まれているからだ。 だから親鸞は安心して「廻心といふことただひとたびあるべし」と説くことができた。 「一発菩提心を百千万…

ヒルティの言葉が、二種深信の見事な解説に聞こえる

8月31日の記事マニアックな趣味で、 中国浄土教の大成者善導和尚の言葉とスイスの哲学者ヒルティの言葉が、時間と空間を超えて呼応し合っていて、互いに相手を照らす関係として両者を捉え直すことができ、そうすることで理解が深まる。 と書きました。 その…

滅びに至る多くの人々のために嘆いたりはしない

(聖書 エズラ記6・33,34 新共同訳)より引用します。 信頼せよ。恐れるな。今の時代に焦ってむなしいことを考えるな。 そうすれば終末の時が来ても慌てることはない (引用終) 『終末の時』ってなんだろう? それは、人類全体にもいつか来るだろうが、個人…

聖書 終末ビジョンに収斂する編集

キリスト教聖書を読んで痛感するのは、終末観の強烈さだ。 おれは中学生のころに、できごころで聖書を読みはじめて、気づいたら終末のビジョンにとりつかれていた。 聖書は、まじめに読む者すべてを終末ビジョンの世界に引きずりこむための、きわめて巧妙で…