先日、町内でSさんの葬式があった。 Sさんは、おれが町の会合に出て、周りが知らない人ばかりで気まずい時、いつも気さくに話しかけてくれるありがたい人だった。 若い長男がお別れの言葉を述べた。 「世界は残酷で恐ろしいものかもしれないけれど、とても美…

織田作之助「夫婦善哉」を青空文庫で読み直した。 今回で数年、10数年の間をおいて三度読んだことになる。読書嫌いのおれとしては珍しい。 しばらく経つとまた読んでみたくなる不思議な魅力がある小説だ。 この「夫婦善哉」という小説からは、儒教、仏教、キ…