哲学日記

存在の意味について、日々思いついたことを書き綴ったものです。 このテーマに興味のある方だけ見てください。 (とはいえ、途中から懐かしいロック、日々雑感等の増量剤をまぜてふやけた味になってます)

2006-01-01から1年間の記事一覧

最も大きな恵み

人間が死すべき不可避の運命に縛りつけられていることは、人間にとって最も大きな恵み・救いである。 もし、死ななければ、人は底なしに堕落してゆくであろう。 これは、百年足らずで死ぬために、堕落が途中でストップするという意味での救いではない。 そう…

欲望

欲望というものは、人間の一生を徒労に終わらせる。 さあいよいよ死ぬというその瞬間(とき)になれば、(認める気さえあれば)誰でもそのことを理解できる。 なぜなら、欲望のプログラムは、いまや死なんとする個体を、役立たずのものと見限って、「欲望から…

ショーペンハウアーの幸福論4

他人の目にどう見えるかということで価値のあるなしが決まるような生き方は、惨めな生き方だ (ショーペンハウアー「幸福について」第4章 橋本 文夫訳) 他人の言動に絶えず注意を払っているということは、その人がいかに退屈しているかを示すものだ。 (同…

ショーペンハウアーの幸福論3

年老いた暁には、身は老いても老いることのない労作に青春の力をことごとく打ちこんでしまったということくらい、慰めになるものはない。 (ショーペンハウアー「幸福について」第4章 橋本 文夫訳) あきらかに、ショーペンハウアーは、自分のことをいって…

ショーペンハウアーの幸福論2

われわれ人間の最大の楽しみは、人からたたえられるということだ。 けれどもたたえる人は、あらゆる条件が揃っていても、なるべくたたえたくないのが本音だから、 自分で自分を心からたたえる境地に何とでもして辿りついた人が一番幸福なのだ。 ただ他人に横…

足ることを知る ショーペンハウアーの幸福論

苦痛のない状態にあって、しかも退屈がなければ、大体において地上の幸福を達成したものと見てよい。 それ以外はすべて架空だからだ。 (ショーペンハウアー「幸福について」橋本 文夫訳) 平均人は、「苦痛のない状態」を幸福と感じ続けることができず、じ…

ヒルティ4

だれでも、その生まれつきの気質をすっかり変えてしまうことなど、出来るものではない。 むしろその特質をそのまま純化することの方が、はるかに容易である。 (ヒルティ幸福論第二部「人間知について」 草間平作・大和邦太郎訳) そのためには、まずありの…

ヒルティ3

二種深信の話をもうちょっとします。 信仰は神の賜物であって、人はそれを勝手に自分に与えることはできない。… 自分はいつになったら信仰を持つことができようかと、さしあたり絶望しているような多くの人達の方が、ただ外面的に同意しただけで信仰を持って…

ヒルティ2

愚直で厚かましい人たちに対しては、三つの自己防禦の方法がある。まず粗野であるが、これは自分の品位を落とす。次は冷淡であるが、これは人間的でなく、良心にやましさを残す。それからユーモア。この最後の方法だけが、真の精神的優越を示すものだ。 (ヒ…

さっき送ったコメントです

kyomutekisonzaironさんのブログ「混沌の時代のなかで、真実の光を求めて」にさっき送ったコメントを再録しておきます。(ちょっと書き足しました) 「混沌の時代のなかで、真実の光を求めて」はhttp://blogs.yahoo.co.jp/kyomutekisonzairon/folder/653583.…

機法一体

「主よ、わが罪の深さをあらわしたまえ、しかしあなたのみ恵みの深さをもお示しください。」(同胞協会賛美歌526番)。この言葉のいずれか一方がなかったならば、人は絶望におちいるか、軽薄に流れることになる。 (ヒルティ幸福論第二部「罪と憂い」 草…

イソップ寓話集 2

「タウンゼント版イソップ寓話集」から 57 虚飾で彩られた烏。 ある、言い伝えによると、ジュピターは、鳥たちの王様を、決めようとしたことが、あったそうだ。ジュピターは、鳥たちの集まる日時を決め、その中で一番美しい者を、王様にするというお触れを出…

イソップ寓話集

「イソップ寓話集」(昔の愛読書です)からひとつ 55 牡牛たちと肉屋。 むかしのこと、牡牛たちは、肉屋が、この世からいなくなればよいと考えた。と言うのも、肉屋は、牛たちを殺戮することを、なりわいとしているからだ。 牡牛たちは、日時を示し合わせて…

辻潤の文章

◎アナキズム図書室→http://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/library.html (低人さんのブログ「あほりずむ」大杉栄のことhttp://blogs.yahoo.co.jp/tei_zin/23706444.htmlから) の辻潤の文章を読みました。 自分はこの世に生まれて来たことを別段ありがた…

聖書の言葉11

あなたがたは、何を見に荒れ野に行ったのか。風にそよぐ葦か。 では、何を見に行ったのか。しなやかな服を着た人か。しなやかな服を着た人なら王宮にいる。 (マタイによる福音書11・7,8より 新共同訳) 自分を欺いて、聞くだけで終わる者になってはいけませ…

澤木興道3

宗教には連帯責任ということはない。私一人である。 ようつつしんで親だとか先祖だとか背景だとかで、値うちをもたそうとしてはならぬ。金や地位や着物で味をもたせてはならぬ。自分で生きてゆかねばならぬ。現ナマじゃ。宗教とは現ナマの自分で生ききること…

ただ本を得て末を愁うることなかれ

この本で人生が変わった。 『ただ本(もと)を得て末(すえ)を愁(うれ)うることなかれ』… 本は真如、末は神通の意味で修行を指す。 根本をしっかりと捉えて、末節に走るなということです。… つまり本当の事さえすれば、それを人が知るとか知らんとか、功徳がど…

尾崎方哉

尾崎方哉(ほうさい)(自由律俳人)は、気になる人だ。 元々ねあかの人間が存在論的悩みと格闘して疲労困憊し、社会との絶え間ない違和感に悩まされ、それでも自分に忠実に生きようとしてしだいにひとりぼっちになっていく。 最後に孤独、無言、ひきこもりの…

ショーペンハウアー7

本題に入る前に、今日観たDVDの感想を一言。 DVDを観る 「オーメン666」中佳作。 娯楽作品として悪い出来ではないが…リメイク企画にはオリジナルを超えられない構造的問題があるのかもしれない。 さて本題。 「生の無価値にして厭うべきことを説きなが…

聖書の言葉10

「アグルの祈り」 二つのことをあなたに願います。 わたしが死ぬまで、それを拒まないでください。 むなしいもの、偽りの言葉を わたしから遠ざけてください。 貧しくもせず、金持ちにもせず わたしのために定められたパンで わたしを養ってください。 飽き…

聖書の言葉9

何を守るよりも、自分の心を守れ。 そこに命の源がある。 (箴言4・23) 牛がいなければ飼い葉桶は清潔だが 豊作をもたらすのは牛の力。 魂の苦しみを知るのは自分の心。 その喜びにも他人はあずからない。 (14・4,10) 貧しい人の一生は災いが多いが 心が朗…

聖書の言葉8

斧は既に木の根元に置かれている。 良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。 (マタイによる福音書3・10新共同訳) 何度も生まれかわれるとか、魂は死なないとか、決して確かめられないことに頼ると、克服できない恐怖が生まれる。 死なね…

人は行いによって義とされる

マルティン・ルターが価値を認めず正典から排除した「ヤコブの手紙」が、おれは好きです。(後に、正典に戻される) 自分を欺いて、聞くだけで終わる者になってはいけません。 (ヤコブの手紙1・22より 新共同訳) わたしの兄弟たち、自分は信仰を持っている…

聖書の言葉6

信頼せよ。恐れるな。今の時代に焦ってむなしいことを考えるな。 そうすれば終末の時が来ても慌てることはない (エズラ記6・33,34より 新共同訳) 『終末の時』ってなんだろう? それは、人類全体にもいつか来るだろうが、個人個人に日々来ているものだと、…

選択の余地など一切ない

さとりに至る実践の修養のほかに、感官を制御することのほかに、一切を捨て去ることのほかに、生ける者どもの平安を、われは認めない。 (ブッダ 神々との対話2・7中村 元訳) 事実は、恐ろしく厳しいものなわけです。 選択の余地など一切ない。 これは事実…

聖書の言葉5

今日は、ひさしぶりに聖書の言葉を。 わたしは主、ほかにはいない。 光を造り、闇を創造し 平和をもたらし、災いを創造する者。 わたしが主、これらのことをするものである。 …… 災いだ、土の器のかけらにすぎないのに 自分の造り主と争う者は。 粘土が陶工…

ヴィシュヌの九番目の化身

釈尊は、インドでは最高神ヴィシュヌの九番目の化身としてヒンドゥー教の神にされている。 ヒンドゥーの根本教義であるアートマンを明確に否定した釈尊を、どんな手品を使ったら、自分たちの神と同一視できるのか。 釈尊となったヴィシュヌ神は、わざとまち…

自行が先

先ず自分を正しくととのえ、次いで他人を教えよ。 そうすれば賢明な人は、煩わされて悩むことが無いであろう。 (ブッダの真理の言葉12・158中村 元訳) 他人に教えるとおりに、自分でも行なえーー。自分をよくととのえた人こそ、他人をととのえるであろう。…

バガヴァッド・ギーター

※『バガヴァッド・ギーター』 荘厳なるものの歌、の意。 ヒンズー教の聖典の一つで、人格神への信愛の道を説く宗教哲学詩。 古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」に取り込まれている。(大辞林) 「心によって自己を向上させるべきであり、自己をおとさし…

ウパニシャッド

おれはショーペンハウアーによって釈尊に導かれたのだが、ショーペンハウアー自身は仏教以前からの古代インド思想(ウパニシャッド等)に決定的触発を受けて生涯の主著「意志と表象としての世界」を書いている。 ウパニシャッドと仏教は類似点が多い。 バガ…